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「ふたば系ゆっくりいじめ 351 久城学園の飼育/コメントログ」 めーりん… -- 2010-06-16 15 37 40 めーりんの仇はふらんがとってくれたよ…多分。 -- 2010-07-09 12 40 24 めーりんが可哀想でゆっくり出来ない・・・ -- 2010-09-25 05 24 22 めーりんェ… -- 2010-10-06 22 35 28 めーりんは犠牲になったのだ… -- 2010-10-18 14 07 57 作者は馬鹿 -- 2010-11-20 13 40 19 別にめーりん虐待してもよくね?、いやなら愛でWikiいけよ -- 2011-02-23 06 58 17 まぁ一般的には希少種虐めはゆっくりできないよな、ムカつく要素を持ってないから でいぶとかゲスとかレイパーとか森賢はそこにいるだけで潰したくなるほどムカつく -- 2011-03-20 23 30 33 匹とか人とか個とか使い分けてていいな -- 2011-04-05 13 20 43 めーりんの中身は辛いんじゃなかったっけ? ゆっくりは口に入れるだけでも死ぬ、クズの帽子は外れない めーりんは餡子食って逃げたか、保護されてるんじゃね? -- 2011-10-07 00 48 56 めーりんと良いゆっちゅりーとれいむとゆうかは俺としては愛で(うどんげも) その他のゲスゲロとかゲスれーまりはしね -- 2012-04-24 16 31 21 cbsghhr -- 2012-05-18 20 20 40 めーりんは後のSSで無事生きてるみたい -- 2016-01-27 00 42 24
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『夜の悩み.TXT』 4KB 愛で 愛情 変態 日常模様 現代 愛護人間 独自設定 2作目 妄想が止まらない 『夜の悩み』 ※かなりアレな作品なので、不愉快になる方がいたら消します。 自己紹介をさせて貰おう。 僕の名前は月神 夜(つきがみ ないと)高校生だ。 名前に関しては親の責任だ、なにも言わないで欲しい。 僕には夢がある。 それは官僚となり、この国を住みよい国にすることだ。 だから大学はもちろんこの国の最高の大学へ行くつもりだ。 そのためには人一倍勉強に励まなくてはいけないし、実際励んできた。 学校でも僕より成績が良い者はいない。 しかし、最近勉強に集中できない。まったく出来ない。 怠け心?勉強がいやになった? そんなんじゃない。 そんなんじゃないんだよ! いつもどうり学校から帰宅し、玄関のドアを開ける。 「じぁおーん。」 すると必ず飼いゆっくりのめーりんが飛びついてくる。 そして豊満な胸を僕の顔に押し付けてくる。 こいつが胴付でなかった頃も、僕が帰宅すると同じように飛びついてきたから、こいつにとっては習慣みたいなものなのだろう。 しかし、何故か分からないが胴つきになった今、同じことをされると・・・その・・・。 いや、僕はゆっくりなんかに欲情する HENTAI じゃないぞ。 ただ変にでかくなって、柔らかくて、笑顔が可愛いから勘違いしそうになるだけだからね。 「いつまでも抱きついてんなよ、このピザまん。」 僕はめーりんを引き剥がし、自分の部屋に向かう。 もちろん授業の復習をするためだ。 「じゃおん・・・。」 後ろの方で寂しげな声が聞こえた。 さて、継続は力なり、普通を続けて特別になる、と言う言葉もあるとおり、勉強は毎日やってこそだ。 僕が机に向かい勉強を始めて30分くらいたったころだろうか。 部屋のドアが開き、めーりんが入ってきた。 手には肉まんとウーロン茶を持っている。差し入れのつもりだろう。 意外なことにこのピザま・・・めーりんは肉まんを作ることが出来る。 味も結構旨いのだ。 ただ時々ダンボールが入っているので気をつけなければいけないが。 「じゃおじゃお。」 「ああ、ありがと。そこに置いといて」 振り向くことなく、めーりんに声を掛ける。 調子が出てきたところだ。中断したくない。 不意に、耳に吐息がかかった。 驚いて振り向くと、僕の顔のすぐそばにめーりんの顔があった。 めーりんが真っ直ぐな目で僕を見つめていた。 自分の顔がほてってくるのが分かった。胸がぐぐぐぐぐっと苦しくなる。 おもわず 「用が済んだら出て行けよ!じゃまだ!」 怒鳴ってしまった。差し入れを持ってきてくれたのに。 「じ・・・。」 めーりんはうつむき、黙って部屋から出て行ってしまった。 めーりんはゆっくりで、ピザまんだ。 世に中にはゆっくりに欲情するやつもいるが、僕は違う。 めーりんは僕が小学生の時に、道端で他のゆっくりにいじめられているところを助けて、そのまま飼いゆっくりにした。 それからいつも一緒にいた。もう家族と同じなのだ。 家の前で昼寝をするめーりん。居間で昼寝をするめーりん、階段で昼寝をするめーりん、廊下で昼寝をするめーりん、台所で昼寝をするめーりん、屋根の上で昼寝をして夕立に遭い死にかけるめーりんなど、思い出も沢山ある。 そんな家族同然のめーりんが、一ヶ月前に行き成り胴つきになったからってなにも変わることはないはずだ。 気がつくと、勉強を始めてからかなり時間がたっていたが、何一つ頭には入っていなかった。 夕飯を食べ、風呂に入り、後は勉強して寝るだけだ。 さっきは、まったく勉強にならなかったから今度は集中しないとな。 気合を入れて机に向かう。 ・・じ・・ゃ・お・・・・・ん・・ 何だろう。何か聞こえる。 部屋の中からじゃない・・・ドアの外・・・。 僕はドアをそっと開けた。 ドアのすぐ横でめーりんが泣いていた。 すぐには分からなかった。なぜなら今まで一度もめーりんが泣いたところを見たことが無かったから。 いじめられてた時だって泣いていなかった。だけど今は泣いている。 なぜ? いや、もうそういう ずるい ことは止めよう。 分かりきっていたことだ。 僕はめーりんが好きなのだ。 僕は、めーりんを部屋に入れ力いっぱい抱きしめた。 めーりんもぎゅむっと抱きついてきた。 めーりんは変わらない、変わったのは僕のほうだ。 それを恥ずかしがって分からない振りをして、無理に拒絶した。 だけどもう僕は吹っ切れた。 「めーりん。好きだよ。」 めーりんに告白をする。 「じゃおん!じゃおん!」 めーりんは満面の笑顔で僕にキスをした。 僕のファーストキスはピザまんの味でした。 そして吹っ切れた僕は、やらなければいけないことがある。 それはめーりんのおっぱいにお仕置きをすることだ! このいけないおっぱいのせいで、ずっともやもやしていたのだ。 復讐して何が悪い。いや、悪くない。 正義は我にあり! 僕は、めーりんの服を胸が出るようにはだけさせ、そのおっぱいを揉みまくった。 さらに吸い付きまくった。 めーりんは顔を赤く染め、されるがままになっている。 そうしているうちに僕の理性は限界を突破し 「右がノドンで、左がテポドンだな。この国は僕が守る!」 と絶叫しながら、めーりんのおっぱいを寄せて両方吸い始めたところで 「うるさいよ夜!なにし・・・て・・。」 母さんが部屋のドアを開けた。 この後開かれた家族会議は、深夜にまで及びました。 おしまい 作品 anko2679 野良のゆうかにゃん.TXT
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きずな⑦~友達~前半 「JAOOOO!」 漆黒の闇にめーりんと進だけがいた。 「めー…りん…?大丈夫だった?こっちにおいで。」 進は朦朧とする意識の最中、めーりんの姿を捉えるとすぐに手を広げ、めーりんを迎える。 ―――だが、めーりんはどこか悲しそうに俯いている。 「どうしたの?めーりん?」 不穏な空気を察し、話しかけるもののめーりんは反応しない。その悲しみの色は濃くなってゆく。 仕舞にはめーりんの頬に一筋の涙がこぼれ落ちた。 「…めーりん…?」 3度目の呼びかけにも応じない。と、めーりんは背を向き進から遠ざかってしまう。 「め、めーりん!待って!どこ行くの!?」 慌てて追いかけようとする進。だが…足が動かない! 必死にもがく。手を伸ばす。…さすれども、めーりんには届かない… めーりんの姿はみるみる内にかき消されていく。焦燥感を覚えた進は最後に精一杯叫んだ。 「めーーーりーーーーーーんーーーー!!!」 ガバッ!! 呼吸が乱れた。意識が朦朧とする。徐々に戻ってゆく五感…今のは…夢…?そう認識した瞬間、頭部から全身へと電流が走った。 「いっ…!…」 まるで鈍器で殴られたような痛みだった。 痛みの最中、記憶を探ってみる。えーと…僕は…公園でめーりんと遊んでて…そうだ、あの3人が来て…めーりん!めーりんは無事なの!? 「…めーりんは…どこ?…」 ふと正面を見る。…いた。両目に涙を溜めて。 「JAOOOOOOOO!!」 めーりんは進に飛び掛かった。余程心配したのだろう。堰が切れたように涙が溢れ出していた。 「…よかった…本当によかった…」 大切な友を強く抱きしめて、そう呟く。 めーりんの無事が分かり安堵した進は周りを見渡した。…ここはどこだろう?ベットの上に乗っているが…病院…でもないし、自宅でもない… そう思案していると、部屋のドアが開いた。 「あら?気がついたんだ。」 入って来たのは少女とゆっくり―――さくや種―――だった。 「…君が、介抱してくれたの?ありがとう。」 進は深々と頭を下げる。 「ああ。お礼ならそのめーりんに言うことね。そのめーりんが一生懸命、私達に助けを求めたのよ。」 その言葉に進は驚く。JAOOとしか鳴けないめーりんが… しかし、それ以上に感謝の念が強かった。手のひらをめーりんの帽子にそぉっと当て、優しく撫でる。 「めーりん…ありがとうね。」 「JA…JAOOOOO…」 恥ずかしそうに顔を赤らめるめーりん。 少女はその絵を微笑ましく見た。 「…で、どうして公園でそんな傷だらけの状態で倒れてたの?教えて、進君。」 「あれ…?…どうして、僕の名前を…?」 そう尋き返されると少女が不満そうに冷たく返す。 「質問を質問で返さない。」 「ああ…ごめん…」 素直に謝る進。だが少女は溜息を一つ吐いて、続ける。 「…クラスメイトの名前も忘れちゃったわけ?」 その口調と視線にはちょっとした軽蔑が含まれていた。進はここでようやく相手が誰なのか気づく。 「え…?…あ!見田村さん…?」 やっと思い出したかと言わんばかりに嘆息を漏らす。 「…で、どうしてああなってたの?説明して。」 「あ、うん。…実は…」 エア銃・水鉄砲で撃たれたこと。暴力を振るわれたこと。めーりんの命を奪おうとしたこと。 起こったことを一通り説明し終わると、見田村はワナワナと震えていた。 「ひどい!!あいつら最低っ!」 「まぁまぁ。僕もめーりんを無事だし…」 実際に被害を受けた本人よりも話を聞かされた人間が怒り、宥められるというのは何とも奇妙な図だった。 その進の呑気な態度によって見田村の怒りが助長する。 「無事って・・・酷い怪我受けてるじゃない!だいたい、進君がそんなんだから!たまにはガツンって仕返ししてやりなさいよ!」 進は他人事のように頬をポリポリと掻く。 「んー…仕返しなんてしたらますますやられちゃうよ…こういうのはじっと耐えてれば…」 「はぁ…イライラする…!いい?進君に力があれば、あなたの大切なめーりんは、何の問題もなく守れた!そうでしょ?」 進は押し黙って話を聞き入っている。力が足りない…事実そうであるからだ。 「いくら、あなたが守りたいと思ってもね…力がなけれゃ守れないのよ!グズ!」 その最後の二文字が心に深く突き刺さった者が一人…いや、二人いた。 (…僕のせいで…めーりんを守れない…?) (…めーりんがよわいから…みんなをまもれないの…?) 暗く俯く二人。と、見田村はしまったと後悔し、バツが悪そうだった。 「あ・・・ご、ごめん…最後のは言い過ぎだった…」 その謝罪に進は目を瞑り、首を横に振る。 「いや…見田村さんの言う通りだよ。僕は…自分が耐えて犠牲になればそれでいいと思って…何の努力もしてこなかったんだ…」 その言葉で部屋の空気が一気に御通夜状態になってしまった。 そんな中、見田村は先程とは対照的に諭すように語りかける。 「…辛いこととか…悲しいこととか…ちゃんと誰かに言わなきゃ…もっと肩の力抜いて…自分一人で背負い込もうとしないで。」 その言葉一つ一つを進は噛み締めた。 「…誰か…一緒に背負ってくれる…かな?…」 「わ、私が!…私が背負うから…今度何かあったら、力になるから…ちゃんと言ってね…」 一人で背負わず、誰かに助けを求め、打ち明け、共有する。それは、確かに進にとっては有効なことかもしれない。 だが… (…めーりんは…どうすればいいの…?) そうしたくても出来ないものも、ここには居た。 「ところで、そのゆっくりは見田村さんの?」 進がさくやを指すと、見田村はさくやを抱えた。 「ええ。そうよ。さくやって言うの。あ、そういえば、めーりんが何話してるのか分からなかったけど…この子は理解していたわ。そのお陰で助けれたのよ。」 そして、進とめーりんの傍に置く。 「へぇー。君は賢いんだね。」 すると、さくやは自己紹介を始める。 「はじめまして。すすむさま。わたくしはさくやともうします。いご、おみしりおきを。そして、ゆっくりしていってくださいですわ。」 人間顔負けの丁寧な言葉遣いに進は驚きと感心を隠せなかった。 「あ、どうも。進です。君のお陰で助かったよ、ありがとうございました。」 相手が丁寧であるためか、進の言葉遣いも自然にその様になる。 めーりんはそんなやり取りを羨ましそうに見つめていた。私も…進としゃべりたい。…そんな眼差しで。 そんな様子をどう受け取ったのか、見田村は提案した。 「そうだ。さくや、めーりんと遊んであげて。」 「かしこまりました、おじょうさま。」 さくやはすぐに了解したが、進とめーりんは戸惑った。 「え…でも…」 「いいじゃない。ゆっくりはゆっくり同士で遊ぶのも大切なのよ。」 しかし、進が心配しているのはそのことではない。 「…いや、その…めーりんは他のゆっくりと違ってしゃべれないから…」 「JAOO…」 そう、めーりんはその理由で他の種から虐め・迫害を受け易い。だが、進の懸念をよそに見田村、さくやは共に笑みを浮かべる。 「みんなと同じようにしゃべれないからなに?さくやは、めーりんの言葉が分かるし、完璧には分からない進君だって、めーりんと仲良く生活してるんでしょ?」 「それは…そうだけど…」 「言葉なんて大した問題じゃない。ね?さくや。めーりんと遊びたいでしょ?」 さくやは微笑みながら答える。 「はい、おじょうさま。わたくし、めーりんとあそぶのをこころまちにしておりますわ。」 その言葉と表情には悪い企み等微塵にも感じられない。 「…分かった。めーりん、さくやと遊んでおいで。」 「JAOOO!」 めーりんとさくやは部屋を出ていき、部屋には二人が残された。 「ねぇ、見田村さん。あのさくやとはどうやって知り合ったの?」 進が何気なく訊く。 「あの子はね…心に深い傷を負ってここに居るのよ。」 見田村は遠い目をする。 「…何があったの?」 「群れを…追い出されたのよ。」 あれ程にまで賢そうなのに。群れを追い出される道理などあるのだろうか? 「さくやは、前にいた群れで参謀をやっていたそうよ。賢くて、狩は群れ1番の腕前。多くの仲間から尊敬されていた。」 ますます、群れを追い出される理由が分からない。 「でもね。どんなに好かれる人でも、その能力や人気を妬み良く思わない人もいる。それが…ゆっくりの社会でも同じことが起きた。」 その群れに加わる前の参謀はぱちゅりーだった。頭脳では、さくやにも劣らない程の能力の持ち主であった。 が、ぱちゅりー種の宿命かな、生まれつき体が弱い。その為捕食種とも、互角に闘える程のさくやにその地位を奪われたのだ。 ぱちゅりーは自分にはないその力を持つさくやを妬んだ。そして、思いついた。さくやを貶めることを。 「その後、そのぱちゅりーはさくやの評判を落す為に、色々悪い噂を流し始めたの。最初の内は、さくやを信じていたゆっくり達が嘘だって否定していたんだけどね…」 毎日のように流れる悪い噂。始めの内は否定する者もいるが、様々な憶測が重なってゆくにつれ、徐々にさくやに対する不審が生まれた。 「結局、その群れの会議でさくやを群れから追い出すことが決まってしまったのよ。その真相を、去り際にさくやを最後まで庇い続けた親友のまりさから聞かされたそうよ。」 さくやは失望した。誰を恨む訳ではなく、ただ失望した。心に受けた傷は大きく…何も信用できなくなってしまう。 そこからさくやの孤独な生活が始まった。狩も一人。巣を作るのも一人。食事も、寝るときも… 通常、集団を形成して生きるゆっくりにとっては辛いことであろう。 「その頃ね。私とさくやが出逢ったのは。」 さくやがいつものように狩に行こうとすると突然野犬が近づいてきた。 頬を膨らませて威嚇するも、怯える様子など皆無だった。 互いに睨み合い場に緊張感が走る。しばらく、この膠着が続く。と、痺れを切らした野犬がさくやに飛び掛った。 その鋭い牙で、頬が噛み砕かれる。全身に痛みが走る。 …ああ、私は死ぬのね…そう、さくやの意識が切れかけた瞬間であった。 「こらー!その子を放しなさい!!」 少女が声を張り上げると野犬は怯え、さくやを放し逃げ去った。 「これが、さくやの過去と、私との出逢いよ。この後、治療して一緒に住むことにしたの。」 思わぬドラマを聞かされることとなり、進は何とも言えぬ感情となった。 「進君は、めーりんのことをどこまで知ってるの?」 見田村から突如、こんな質問を受ける。 「?…それはどういう意味?」 「そのままの意味。一緒に暮らす前のめーりんのこと、どこまで知ってるの?」 「えっと…他のゆっくりに虐められてて…」 進はこの時、ハッして、下唇を噛んだ。 …僕は、めーりんのことを何1つ知らない… あんなにも幼いめーりんがたった一人で居た理由も、めーりんの家族のことも。 …悔しいような…歯痒いような…情けないような…複雑な感情が入り混じった。 「JAOOOO!」 「まってですわ!」 めーりんとさくやは鬼ごっこを楽しんでいた。めーりんはまだ幼く、さくやはすでに成体であり、両者の身体能力には差がある。 そのため、さくやがやや手を抜いてあげているようだ。 何度目か分からぬ繰り返し。それは、楽く心地よいものであったが、めーりんは疲れてしまったのか動きが止まり息を切らす。 「JAO…JAO…」 「つかまえましたわ。」 すかさずさくやがめーりんを捕らえた。 「JAOOOO?」 めーりんが休憩を提案する。 「わかりましたわ。ゆっくりおはなしでもしましょう。」 ゆっくり会話する。それはめーりんにとっては、家族と過ごした頃と同じ温かさを意味する。 進は確かに優しく、いつも一緒に遊んでくれる。簡単な会話も出来るが、少し長くなるとたちまち、進は中々理解してくれなくなってしまうのだ。 進には責任はないのだが、そのことに対しめーりんは寂しさと、言葉をしゃべれない自分への悔しさを感じていた。 「めーりんはすすむさまと、どうやってであったのですか?」 さくやにそう言われ、めーりんは話す。 家族と暮らしていたこと。家族と一緒に歌を歌ったこと。仲良くご飯を食べたこと。飛び跳ねて元気良く遊んだこと。 みょん達が家を襲ってきて…両親を失い…そして…そして…あの忌々しい記憶のこと。 最後に生きることに絶望し、他のゆっくりに虐められいた時に進に助けられたこと。 全てを話し終えるとさくやは…涙を流していた。 めーりんが何で泣いているのだろうと首を傾げていると、さくやは無言のままがっちりとめーりんを抱きしめる。 「ゆ…めーりん…いままで…よくがんばってきましたわ…ゆ…めーりんはなにもわるくないですわ…なにも…」 その言葉を契機にはらりとめーりんの目から雫が落つる。1つ。2つ。3つ。 ぽたぽた落つる。決して止まることなく、ぽたぽた落つる。 めーりんは…ただ、ただ、免罪符が欲しかったのだ。 自分の力が無かったせいで両親を失ってしまった罪に対して――― 自分が寝ていたせいで姉達が死んでしまった罪に対して――― 姉を…食べてしまった罪に対して――― 自分だけが幸せを掴んでしまった罪に対して――― めーりんの重い十字架は…今、崩れ、消えた。涙と共に。 「めーりん…つらかったでしょう?…よくがまんしましたわ…」 さくやはまた一段と強く抱きしめ、慈悲深く慰める。 「JAOOOOOO…」 進との生活は確かに楽しく幸せなものだ。 だが…同じように苦しみ、あまたなる修羅場を潜り抜けてきた経験豊富なさくやに接することもまた、めーりんにとっては大切なことだったのかもしてない。 二人は暫し泣きあった。 一人で背負い込むこと。それはとても辛く、苦しい選択肢。 時には、全てを打ち明けることも必要なのだ。さもなければ、いつかパンクしてしまう。 世界が…壊れてしまう… 「進君…良かったら、また私の家に遊びに来なさいよ。」 「え…?」 進は戸惑った。何せ、誰かの家に来てと遊びに誘われたのは小学校低学年の時以来のことだった。 「いや…あの…ほら!?めーりんだってさくやとまた遊びたいでしょ?べ、別に来て欲しいとか…そういうのじゃないんだからっ!」 何故か顔が火照る見田村。それを不思議そうにみつめる進とめーりん。それをニヤニヤしながら見つめるさくや。 「うん!ありがとう見田村さん。また今度、めーりんを遊ばせにいくね。」 「JOOOOO!」 屈託のない笑みで進とめーりんはお礼を述べる。 「もう私たち…と、友達なんだから当然でしょ!?」 「トモダチ…?」 友達…それは、進がめーりん以外に出来た初めての人で…新鮮なものだった。 「わたくしもいつでもゆっくりおまちしていますわ!」 「さくやもめーりんと遊んでくれてありがとう。…じゃあ、そろそろ帰るね。」 お互いにまたねと言い合い、進が退出し、帰宅への道を辿る。 「おじょうさま…ほんとうはすすむさまにきてほしいくせに…」 「な、ななな何のことかしら…?そ、そんなことより、めーりんと遊ぶのはどうだった?」 ニヤニヤだったさくやの表情も、その言葉で曇りを帯びた。 「じつは…めーりんにはこんなかこが…」 さくやは見田村に全てを話す。めーりんの生い立ちを。 全てを聞き終わった見田村は窓の外をふと見やり、一つ息を吐いた。 「…あなただけじゃないのね…苦しんでたのは。」 「…わたしたちのしゃかいには…ざんねんながら、わるいものもいますから…」 「…そうね…人間と同じね…」 見田村は、いつも虐められている進の姿を思い浮かべていた。 (ごめんね…進君…) 見田村は恥じた。悔やんだ。いつも学校で虐めを受けている進に声を掛けられなかったことを。 見て見ぬふりをしていたことを。 それも、一度や二度のことではない。 …結局、行動に移さない同情など、何の意味も成さないのだ。 ~続く~ 以上、ひもなしでした。以下駄文。 人は何でもかんでも一人で背負えてしまう程器用な生き物ではないと思うんです。 私事になりますが、私自身、様々なことに追い込まれストレスに圧し潰されそうになった時に突然、過呼吸に陥ってしまいました。 この苦しみの最中、実感しました。これが、パンクするということなんだなと。 感情を無理矢理抑える位なら、泣いてください。怒ってください。 一人で抱える位なら、信用出来る誰かに話してください。 解決はしないかもしれない。 だけど、きっと何かの助けになると思います。 れ レミリアじゃないだと!!!バカな!!!!!! -- 名無しさん (2011-04-27 19 24 46) ↑なるほど、レミリア・スカーレットか、わからん -- 名無しさん (2012-02-14 15 13 30) 名前 コメント
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「ふたば系ゆっくりいじめ 782 ゆっくりのいるお庭/コメントログ」 めーりんかっけぇ -- 2010-03-30 10 54 39 めーりん飼いたい -- 2010-06-05 02 41 58 めーりん最高 -- 2010-06-29 00 55 11 最近、暑い。ちるの、欲しい。 -- 2010-06-30 01 50 37 めーりんかっこよすぎ -- 2010-07-24 03 09 32 また希少種優遇か…正直お腹いっぱいだぜ -- 2010-08-01 23 25 18 おなかいっぱいなのにちゅういがきさんむししてたべるのはゆっくりできないよー -- 2010-08-30 18 33 13 希少種は糞饅頭とは別のいきものと思ってる。 -- 2010-08-30 18 42 28 めーりんの格好良さに惚れた… 最高だぜ! -- 2010-11-03 21 25 03 いいオチだね〜 こういうの増えて欲しい -- 2010-12-09 16 47 51 まりさ・れいむだと例え善良でも嗜虐心しか湧かないのに どうしてめーりんはこうも可愛いのだろうかw -- 2011-08-19 14 15 51 ゆうかってそんなにやすいのかー -- 2011-10-04 00 50 27 ↓個人の世界によって違うんだろう -- 2012-04-06 17 58 28 めーりん最高。 -- 2012-05-05 11 22 15 めーりんの忠誠心の高さと泣き声しかないのが 逆に作品のいい味になるよねぇ -- 2012-08-24 20 14 37 ゲスな通常種共はめーりんを見習えば良いのに。 -- 2012-10-10 23 03 47 相変わらずワンパな作者だなぁ。 最近はこいつ消えてすっきりしたけど。 -- 2012-12-09 00 04 42 めーりんが助かって良かった。 -- 2013-03-14 04 32 44 やっぱめーりんいいわぁ… -- 2013-09-03 03 28 51 めーりん欲しい!щ(゜▽゜щ)よな? -- 2014-01-02 22 42 10 めーりん欲しいお #128541; -- 2014-04-28 16 04 21 退かぬ! 媚びぬ! 顧みぬ! -- 2014-06-15 22 40 19 めーりんかっけえ ゴミ饅頭共とは大違いだわw -- 2014-06-22 21 59 17 めーりんかっこかわいい!! めーりん欲しい!! -- 2014-11-03 21 31 58 フランやさしい -- 2015-11-13 22 17 00 こういう救済系大好きだぜ -- 2016-01-16 00 13 48 稀少種は大体良いのに普通種は下衆が多い。 特に魔理沙と霊夢とアリスは下衆が多すぎ、 下衆ゆっくりはこの作品のゆっくりめーりん を見習って欲しいけど下衆のほとんどが餡子脳 だからわからないと思う。 -- 2016-03-14 00 44 40 めーりんかわいいいいいい 欲しいよ! -- 2016-04-10 11 32 32 ホント希少種って通常種と違って可愛い -- 2016-06-05 11 49 17 めーりん!!!!!!!!!!かっこよすぎるよおおおおおおおお!!!!!!!!!!! \(´;o;`)/ -- 2016-06-19 11 16 11 通常種ってほんとキモいww(ちぇん、善良は例外) -- 2016-07-16 00 37 40 ↓それな(´・Д・)」 -- 2016-09-14 20 29 21 ↓それな -- 2016-12-15 06 43 59 めーりんカッコよかったww -- 2017-03-18 20 22 58 めーりんふらんよくやっためーりんふらんが来るまでよく頑張ったな死ななくてよかった最後のれいむとまりさホントにくずだな -- 2017-04-22 21 15 28 希少種にもゲスはいる。 ただ、通常種(特にれいむ種とまりさ種)の絶対数が桁違いに多い。 だから割合で発生するゲス=通常種というSSが多くなるだけ。 ※コメント欄に霊夢と漢字表記している人が稀に居ますが、 霊夢とれいむは別物なので注意していただきたい。 -- 2018-02-16 02 16 28 通常種では基本、ちぇんとみょんが優遇されてるよね。 やっぱり、れいむとまりさに比べて見た目可愛いし。ゲス化率も低いからかなぁ -- 2018-02-21 19 11 57 めーりんって可愛いよね -- 2021-10-30 17 01 23 引かぬ、媚びぬ、顧みぬ 例えこの身が砕け散ろうとも、わが心に後退の二文字無し 不退転の意を込めて、覚悟完了!!! -- 2022-12-20 20 15 11
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注意 ・初投稿です。変な解釈や駄文を多く含みます。 ・人様のネタを使っている可能性があります。 ・賢いゆっくりは、漢字が含まれています。 ・虐待がほとんど無いです。 ・友達を作るのが下手な人が書いているので、ゆっくりでも友達がほしいです。 【農業学生とゆっくり 01】 俺は、大学生である。 一番行きたがってた学校ではなく、私立の大学に通っている。 それだけでも、お金がかかるのに、留年してしまった。 親にそれだけの苦労をかけてしまっていて、いつかは恩返しをしようと思っていた。 しかし、留年のいざこざが収まって少ししてからだった。 両親が亡くなってしまった。 ちょっとした事故だった。 はじめに聞いた時は、医療費などはどうしようくらいであり、 軽い気持ちで行ったら、息を引き取っていた。 ひどく泣いた。 そのショックはものすごく大きいものだった。 恩返しができなく、迷惑ばかりかけてしまった両親に謝りたかった。 その悲しみに明け暮れていたが、 親に対するせめてもの償いと思い、勉強にいそしんだ。 しかし、問題が発生した。学費が払えなくなるのである。 親戚からは、払ってくれると言ったが、それでは、迷惑をかけてしまうと考えた。 その問題をどうしようかと考えていた。 しかし、思わぬところに救いの手があった。 親の貯金はほとんどなかったが、山の近くに広大な土地を持っていたのだ。 これを売って学費に、と思っていたが、 二束三文でしか売れないような土地であった。 それならば、農地にして作物を取ろう。 休学しているため、余裕がある。 そして、始めたのだが、やり方が全然わかんね。 ど素人の自分には、きつい所であった。 そのことを親戚の人に話すと、「ゆっくり」と育てるといいと言われた。 ゆっくりのことは、好きであり、嫌いでもあった。 飼いゆっくりや賢いゆっくりなどは好きであり、 ゲスなどはどんなに傷つけてもいいと思っている。 そのことを聞き、畑や花を育てるのが好きなゆうかと 同じくは、花が好きと聞いたことがあるめーりんをショップから買った。 両方とも銀のバッチである。 俺は、甘く見ていた。 銀のバッチなんて、ある一定のレベルの試験を合格すれば取れるし、 まず、ゆっくりなんだから、良くて小学生のレベルだと思っていた。 「何でこんな育て方したの!」 『すみません、師匠』 自分の農業の知識にだめ出しされた。 ゆっくりのくせに と、思ったが農業知識の多さや、 的確さにより、1週間もたつ前に師弟の関係になっていた。 このことを友人に話したら、笑われた。 また、俺は、甘く見ていた。 めーりんはよく昼寝していると、話に聞いていたが、 うちのめーりんは、目が覚めている時間をあまり見た程がないくらいだ。 俺とゆうかが師弟関係をしている畑で、ずっと寝ている。 時々、起こそうとするが、寝顔を見るだけでゆっくりできた。 しかし、のらゆっくりが侵入したときはすごかった。 この間のことである。 まりさとれいむという一般的な番と子供たちが内の畑の近くで騒いでいた。 「まりさがゆっくりプレイスをみつけたんだぜ。」 「すごい、やさいさんがいっぱいはえている!!」 「「おとうしゃん、しゅごーい」」 「これから、まりさたちのゆっくりプレイスにするんだぜ」 「おやさいさんがたべれる」 「「やったね! おとうしゃん」」 一般的なゲス一家であった。 「ゆゆ! まりさたちのゆっくりプレスにくずのめーりんがいるぜ」 「ほんと、かってにはいってくるなんてゆっくりじゃないわね」 「「くずめーりん! くずめーりん!」」 「はやく、おいだそうよ しゃべれないゆっくりなんて、ゆっくりできないよ」 「そうだぜ、ゆっくりできないのはおいだすんだぜ」 めーりんはしゃべれない。 そのかわり、比較的賢い。 まあ、ゆっくりとしては 「おい!めーりん はやくでていけ。それとあまあまをもってくるんだぜ」 「zzz」 「でていけ!! それとあまあまをもってこい。 もってきたら、とくべつに、どれいにしてあげるぜ」 しびれをきらし、めーりんにぶつかる。 「いくぜ! ゆ!! うぎゃあ」 「ジャオん・・・ zzz」 めーりんは体が揺れたため少し起きた。 しかし、すぐ寝てしまった。 めーりんは皮がもともと厚く、衝撃に強かった。 そのことに気がつかず突っ込んでいったまりさは、逆に吹き飛ばされた。 「ゆゆ、くずめーりんのくせになまいきなんだぜ。」 「まりさ、そんなくずはほっといて おやさいさんをたべようよ」 「「はやく、ちゃべたい」」 「わかったんだぜ」 そう言って、近くの野菜を食べようとした。 「むsy おしょらをとんでいりゅ うげえ」 口をつけようとした瞬間、まりさは吹き飛ばされ地面にぶつかった。 まりさは汚れ、体が少し、曲がっていた。 「まりさ!!」 「「おとうしゃん」」 「ゆゆ・・・」 まりさは、生きていた。しかし、意識をなくしていた。 まりさがいたところにめーりんがいた。 「よくも、まりさをころしたな、くずめーりん どうぞくごろしはゆっくりできないよ!!」 「「くずめーりん!!」」 まだ死んでいないのだが、ゆっくりたちにはそう見えた 「ジャオ! ジャオ!!!」 ゆっくりたちは怯んだ。 しかし、くずだと思うめーりんに負けるわけにはいかないと、 「おどろかすなんて、ひきょうものでくずのすることだよ!! せいっさいするよ!」 「「せいっさい!せいっさい!」」 ゆっくりたちは、めーりんにつっこんでいった。 しかし、一瞬で吹き飛ばされた。 めーりんには体術(?)を教えており、 捕食種にさえ、楽勝である。 体術を教えてくれてありがとう、お父さん。 家族全員が満身創痍になった。 そこに、ゆうかが来て、 「ありがとう。めーりん こんな、ゲス家族に頑張って育てた、 花や野菜さんが食べられるところだったよ」 「ジャオ! ジャオ!」 めーりんは体? 全体で喜びを表した。 めーりんは何かを守ることに命をかける。 また、そのことについてほめられるとゆっくりする。 この家族は、眠れる獅子を起こしてしまったのだ。 畑に侵入したのは良かった。めーりんにぶつかるのはまだいい。 しかし、ゆうかといっしょ?に守っているものを食べようとするのは やってしまった。 鍛えられためーりんの前では一般種は瞬殺であった。 「でも、めーりん いつも寝ているのはいけないことよ」 少しきつめに言った。 「じゃおん」 少し縮んだ めーりんは守りたいものが攻撃されるときは寝ていても起きる。 しかし、寝ているため、普通の侵入者には気がつかない。 そのため、花や野菜は守っているがが、 農具が倒れてきて、大変なことになったことがあった。 おもにめーりんが その後、農具なども守る対象になった。 「まあいいは、とりあえず、肥料を回収して畑にまいて」 「じゃおおおん!!」 そう言われると、めーりんはいそいそと家族の方を向いた。 話し終わるくらいに、ゆっくりたちは目を覚ましていた。 「ふいうちとは、くずめーりんはひきょうなんだぜ」 「そうよ、ふいうちじゃなかったらまけなかったよ」 「「しょうだ!しょうだ! おとうしゃんとおかあしゃんがまけるはじゅがない」」 れいむと赤ゆっくりたちは不意打ちぽかったが、 まりさは、自業自得である。 そのことに誰一人気づいていない。 なんかどっかのだめクレーマーみたいだ。 「ふいうちなんてする、くずめーりんなんてみんなでたおしてやるぜ」 「ふいうちじゃなかったら、まけるはずがないよ」 そういう話し合いをしている間にめーりんが近づく。 「いまだ、ふいうちだぜ!」 不意打ちはゆっくりできなかったんじゃないのか。 まあ、真正面から突っ込んでいくのが不意打ちのいってもいいかわからんが、 「「「「ゆっくりちね!!!」」」」 「じゃ ジャオン!」 ゆっくり一家がめーりんにぶつかる前に、 めーりんはものすごく体を回転させた。 当たった側面から体が崩れていく 「ひぎゃあ!! いたいんだぜ」 「うがあああああ!!」 「「・・・」」 親ゆっくりは痛みを感じ、うめき声を出した。 赤ゆっくりは小ささと柔らかさから、当たった瞬間に絶命してしまった。 「うぎゃあああああ あかちゃんがしんじゃったんだぜ!」 「れいむのかわいいあかちゃんが・・ ぐきゃあああああ」 赤ゆっくりが死んでからもめーりんの回転は止まらなかった。 そして親ゆっくりたちもだいぶ削れてきた。 「「もっとゆっくりしたかった」」 そういうと、親ゆっくりたちは絶命してしまった。 しかしめーりんの回転は止まらず、すべてをこなごなにしてしまった。 そうなると、回転をやめ、それを口でくわえたスコップで袋に入れた。 作業が終わり、 「ジャオ!!」 「そう。ありがとう」 うちの畑の野菜は、化学肥料や無農薬にしたいためこのようにいた。 また、このやり方なら、山から来たゆっくりで肥料を作るため、 作る費用と手間の短縮ができて大助かりだ。 まあ、そんな理由じゃなくてもゲスゆっくりは蹴散らしてやりたいがな というふうに、ゆっくりたちが頑張ってくれているおかげで、ある程度の利益を得られている。 今日もまた、いつものように畑へ出る。 『きょうもがんばろう。師匠とめーりん』 「はい、はい」 「ジャオオオオオン!!」 続く・・・・
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注意書きです。 このSSは以前張ったものですが、不具合がありまして、一度削除したものを再び張っています。 色々と分からない事ばかりで申し訳ありませんでした。 1.駄文です。話のテンポが遅くイライラしてしまうかもしれません。 2.虐待鬼威惨は出ません。というか、人間が出ません。 3.希少種優遇に近いです。 4.他の作者の方々の作品と似ている可能性があります。 5.ハッピーエンドとは言い難いかもしれません。 それでもOKだよと言う方のみどうぞ。 むかしむかしある山に、たくさんのゆっくり達が住んでおりました。 その山は人間や野生動物が入り込む事は滅多にありませんでした。 ですので天災や事故、病気以外でゆっくりが死ぬ要因がほとんど無かったのです。 そしてその山には長がドスまりさの群れがあり、ドスが捕食種ゆっくりの襲撃から守ってくれるのです。 群れの近くにはゆっくりが溺れにくい浅瀬の小川や、木の実や果物が生っている木が沢山生えていたので、ゆっくり達は食糧や飲み水に困りませんでした。 なかなか平和的な山の中で、ゆっくり達はとてもゆっくりしておりました。 ……一部のゆっくりを除いて。 これは、『クズ』と呼ばれたゆっくりと、『ゲス』と呼ばれたゆっくりの物語です。 「クズとゲス」 作者:ぺけぽん ========================================== Side A 「めーりん」 「おい、クズめーりん!いたいめをみたくなかったらそのむしさんをまりさたちによこすんだぜ!」 「ゆぷぷ、まりさはつよいんだよ!さっさとれいむたちにそのむしさんをよこしてね!のろまはせいっさいっするよ!」 「クジュはちねぇ!」 「じゃ、じゃおぅ……」 めーりんは今、とてもゆっくりできていませんでした。 何故なら、いつも他のゆっくり達に虐められたり餌を横取りされるからです。 めーりん種は「じゃお」しか喋る事ができず、他のゆっくり達からは「ゆっくりできない」と見られ、迫害を受けるのです。 ですので自然とめーりん種の個体数は減っていき、今では希少種扱いされています。 現に、このめーりんもゆっくり親子から食糧を寄こすよう脅されている最中です。 このゆっくり親子は先に述べた群れに所属していました。 ですので本当ならば近くに餌も水もあるのでわざわざめーりんから餌を奪う必要は無いのですが……。 「そのむしさんはまりさたちがさきにみつけたんだぜ!よこどりはゆるさないんだぜ!」 「はやくしてね!そのむしさんはクズにはもったいないよ!」 「クジュはちねぇ!」 当然ゆっくり親子達が言っているのは単なる言いがかりで、虫はめーりんが先に見つけ、後からゆっくり親子がやって来たのです。 ゆっくり親子は別に虫を食べなくても、もっとおいしい木の実があるので、スルーしても良かったのです。 相手が『クズめーりん』でなければ。 つまり、要はゆっくり親子はめーりんに適当な難癖を付けてめーりんを虐めているだけなのです。 相手は『クズ』。だから何をしても許される。ゆっくり親子はそう考えていました。 「じゃお……」 他のゆっくり達から迫害を受けているめーりん種ですが、決して馬鹿では無く、むしろ強く賢い種にあるのです。 自称『むれでいちばん』とほざくまりさ種よりも頑丈な体を持ち、ちょっとやそっとでは死にません。 自称『もりのけんじゃ』とほざくぱちゅりー種よりも豊富な知識を持ち、生きる上でその知識を役立たせます。 少し本気を出せば、れいむやまりさ等なら軽く撃退できるのですが、めーりんはそれができませんでした。 一つ、めーりんは優しい性格だったから。たとえ虐められているとしても、誰かを傷つけるような事をするのが嫌なのです。 一つ、めーりんは臆病でもあったから。優しい性格ゆえに争いごとが苦手で、どうしても相手に対して恐怖感を感じてしまうのです。 一つ、このゆっくり親子がドスの群れの一員だから。もし少しでも反撃すれば、めーりんは群れからの報復を受けてしまいます。 「じゃおぅ……」 めーりんには素直に虫を差し出す以外に選択肢はありませんでした。 「しゅしょうなこころがまえだね!でも……」 そう言いながら、いきなりまりさはめーりんに体当たりを仕掛けました。 「じゃおっ!?」 いきなりの不意打ちでめーりんは避ける事もできず、まりさの体当たりをそのまま受けてしまいました。 が、めーりんの皮は頑丈なので痛みはあまりありませんでした。 ですがとりあえずめーりんは痛がるふりをして、後ろに倒れました。 「クズがまりさたちのまえにあらわれたら、それだけでしけいなのぜ!でもまりささまはかんっだいっだからこれですましてやるのぜ!」 「まりさのなさけにかんしゃしてね!こんどはもんどうむようでせいっさいっするよ!」 「クジュはちねぇ!」 そう言い残し、やっとゆっくり親子は去って行きました。 「……じゃお」 ゆっくり親子の姿が見えなくなったのを確認し、めーりんは起き上がりました。 あの親子に食糧を取られてしまったため、新しい食糧を探さなくてはいけません。 めーりんは次の食糧を求め、跳ねて移動します。 付近には木の実や果実が生っている木が生えているのですが、めーりんはそれを食べる事はできません。 それらは全て群れのゆっくり達の食糧で、少しでも食べようものなら食糧泥棒としてたちまちリンチを受けてしまいます。 それ以前に、群れの近くに行く事自体が死亡フラグです。 なのでめーりんは他のゆっくりよりも食糧集めに必死でした。 「じゃお、じゃお……」 今、めーりんの頭の中では食糧探しで夢中で、先ほどの出来事は既に隅の方へ追いやられていました。 このような出来事は一度や二度では無いので、気持ちの切り替えは早くなっているのです。 幸い、めーりんはすぐに食べられそうな草を見つける事ができました。 「じゃおう……?」 ですが、めーりんはその草を見るのは初めてで、どんな味がするのかは分かりませんでした。 見た目は大丈夫そうなのですが、もし毒草だったとしたら。 少し辛かったり不味かったりする程度なら大丈夫なのですが、毒草なら話は別です。 めーりんはどうすれば良いか少し悩みました。 「じゃお!」 そうだ、分からない事は『あの子』に聞けば良い。めーりんはそう思いました。 そして、先程きた方向とは別の方向へと跳ねて行きました。 いつも虐められてばかりのめーりん。 いつも罵られてばかりのめーりん。 ですが、そんなめーりんにも、一つだけ〝ゆっくり〟できる事がありました。 それは、『あの子』に会う事です。 「じゃお、じゃお!」 めーりんの足取りは、自然と速くなっていました。 ========================================== Side B 「ゆうか」 「おい!このゲスゆうか!さっさとそこのおはなさんをわたすんだぜ!」 「おはなさんはかってにはえてくるんだよ!ばかなの!?しぬの!?」 「ゲチュはちねぇ!」 「………」 ゆうかは今、とてもゆっくりできていませんでした。 何故なら、いつも他のゆっくり達に自分が育てているお花畑を襲撃されているからです。 ゆうか種は花を愛でるゆっくりであり、自分で花を育てている事が多いです。 ですが、「花は勝手に生えてくる」と思い込んでいるゆっくり達からは、「花を一人占めにするゲス」と見なされています。 現に、このゆっくりもゆっくり親子から花を寄こすよう威嚇されている最中です。 このゆっくり親子は先に述べた群れに所属していました。 ですので本当ならば近くに餌も水もあるのでわざわざゆうかから花を奪う必要は無いのですが……。 「そのおはなさんのみつはとってもあまいのぜ!はやくよこすんだぜぇ!」 「おはなさんをひとりじめするなんて、なんてゲスだよ!はずかしくないの!?」 「ゲチュはちねぇ!」 ゆっくりにとって一番美味しいと感じるのは何よりも『甘い』食べ物です。 以前このゆっくり親子はその別の場所に生えていた花の蜜を舐めていた事があり、その花の事を知っていました。 ですので、それと同じ花を育てているゆうかの花畑に目を付けたのです。 もし逆らおうものなら、その『ゲス』を制裁して、花畑を奪ってしまおう。 相手は『ゲス』。だから何をしても許される。ゆっくり親子はそう考えていました。 「………」 他のゆっくり達から敵視されているゆうか種ですが、ゆうか自身の戦闘力・知識力はかなりのものです。 自称〝むれでいちばん〟とほざくまりさ種よりも素早く強い体当たりをかますことができ、大抵のゆっくりならそれを食らえばすぐに戦意喪失します。 自称〝もりのけんじゃ〟とほざくぱちゅりー種よりも野草や花の知識が豊富で、数多くの花の特徴を覚えています。 少し本気を出せば、れいむやまりさ等なら軽く瞬殺できるのですが、ゆうかはそれができませんでした。 一つ、ゆうかは花を何よりも大切にしているから。もしこの花畑で乱闘などすれば、花を踏みつぶしてしまうかもしれないからです。 一つ、今いるゆっくりが一匹では無いから。片方を殺してももう片方に逃げられてしまう可能性があるのです。 一つ、このゆっくり親子がドスの群れの一員だから。もし逃げた片方がドスの群れの全員にこの事を報告すれば、ドス自らの報復を受けてしまいます。 「……このおはなさんでしょ?……もっていきなさい」 ゆうかには素直に花を差し出す以外に選択肢はありませんでした。 「しゅしょうなこころがまえだね!でも……」 そう言いながら、いきなりまりさはゆうかに体当たりを仕掛けました。 「ッ……!」 いきなりの不意打ちでゆうかは避ける事もできず、まりさの体当たりをそのまま受けてしまいました。 が、ゆうかの皮は頑丈なので全く痛くありませんでした。 ですがとりあえずゆうかは痛がるふりをして、後ろに倒れました。 「ゲスがおはなさんをひとりじめすることは、きょっけいものなのぜ!でもまりささまはうつわがでかいから、これですましてやるのぜ!」 「まりさのじあいにかんしゃしてね!こんどはもんどうむようでせいっさいっするよ!」 「ゲシュはちねぇ!」 そう言い残し、やっとゆっくり親子は去って行きました。 「……ゲスはあなたたちでしょ……」 ゆっくり親子の姿が見えなくなったのを確認し、ゆうかは起き上がりました。 あの親子に花を取られてしまったため、また同じ花を育てなければいけません。 ゆうかはその花の種を土の中に埋め、葉っぱを元に作った容器に貯めこんでいた雨水を土にかけました。 付近にはとても澄んでいていて綺麗な水が流れている小川があるのですが、ゆうかはそれを使うことはできません。 それらは全て群れのゆっくり達の飲み水で、少しでも使おうものなら飲み水泥棒としてたちまちリンチを受けてしまいます。 それ以前に、群れの近くに行く事自体が死亡フラグです。 なのでゆうかは花にかける水の確保に苦労していました。 「このおはなさんには、あまりみずをかけないほうがいいわね……」 今、ゆうかの頭の中では花の水やりで夢中で、先ほどの出来事は既に隅の方へ追いやられていました。 このような出来事は一度や二度では無いので、気持ちの切り替えは早くなっているのです。 幸い、先程の花以外は取られなかったので、作業はすぐに終わりました。 「…すこしつかれたわね」 作業を終えたゆうかは少し休憩する事にしました。 ゆうかの花畑はなかなか広く、それをゆうかだけで管理しているのです。 ですので、ゆうかは体を動かす時間の方が増え、寝たり休んだりする時間の方が減っていました。 「……きょうはくるかしら。」 こんな日には、『あの子』と会って少し話がしたい。ゆうかはそう思いました。 いつも花を育てる事で忙しいゆうか。 いつも他のゆっくりに花を取られてばかりのゆうか。 ですが、そんなゆうかにも、一つだけ〝ゆっくり〟できる事がありました。 それは、『あの子』に会う事です。 「……ふふ、たのしみね」 ゆうかの表情は自然と笑顔になっていました。 ========================================== Side both 「めーりんとゆうか」 「じゃお、じゃおう!」 「あら、めーりん。きてくれたのね。」 ゆうかは口に草を咥えながら跳ねて自分の方へ向ってくるめーりんを快く歓迎しました。 本来ならゆうかは他のゆっくりに対し、花を狙う害獣という見方をしているのですが、このめーりんだけは違いました。 今から数カ月ほど前、餌を探していためーりんはこの花畑にやってきて、そこでゆうかと出会いました。 「……なに、おまえ。おまえもゆうかにころされたいの?」 「じゃ、じゃお……!?」 いきなり殺されたいかと見知らぬゆっくりに言われためーりんは、少し戸惑いました。 ゆうか自身も本来ならすぐに追い返すか殺すのですが、今までめーりん種を見た事がなかったので、少し警戒していました。 「こんかいだけみのがしてあげる。……はやくきえなさい」 「じゃおぅ……」 ゆうかの凄みに怯えためーりんはすぐに花畑から立ち去りました。 その夜、めーりんは昼間に出会ったゆっくりの事を考えていました。 あのゆっくりは、今まで出会ったどのゆっくりとも違っていました。 出会えばすぐに自分を『クズ』と罵り、虐める。 けれども。あのゆっくりは、そんな事はしなかった。 怖かったけど。もしかしたら。本当は、優しいゆっくりかもしれない。 めーりんはそんな事を考えながら眠りにつきました。 その夜、ゆうかは昼間に出会ったゆっくりの事を考えていました。 あのゆっくりは、今まで出会ったどのゆっくりとも違っていました。 出会えばすぐに自分を『ゲス』と見なし攻撃する。 けれども。あのゆっくりは、そんな事はしなかった。 あの時は殺すなんて言ってしまったけど、今思えば悪い事を言ってしまったかもしれない。 ゆうかはそんな事を考えながら眠りにつきました。 ……また、会ってみたいな。 そう思いながら。 その後めーりんとゆうかは何度か花畑で会うようになりました。 最初はぎくしゃくしていましたが、何度か会う内に、少しずつ。少しずつですが、お互いに打ち解けてきました。 めーりんはゆうかの花を育て、愛でる事ができる優しさに。 ゆうかはめーりんの相手を思う、ただただ純粋な優しさに。 お互いの優しさに気付いた二匹は、さらに仲良くなっていったのです。 「じゃお、じゃおじゃお」 めーりんはゆうかに自分が咥えてきた草を見せました。 「どうしたの?めーりん。……あら、このくさ。ひさびさにみたわ」 「じゃおう?」 「このくさはね、よくかむとあまいしるがでるの。さいきんここらへんではみなかったの」 「じゃおう!」 「みずにひたすとさらにあまくなるのよ。ちょっとまっててね、いまみずにひたしてくるから」 「じゃーお!」 めーりんから草を渡されたゆうかは水が入った葉っぱの容器に草を入れ、少しの間浸しました。 「はい、どうぞ」 「じゃーお!」 ゆうかから草を受け取っためーりんはすぐに草を口の中にいれました。 するとめーりんはその草を飲み込まずに、歯で草を半分に切り、その半分を吐き出しました。 「どうしたの?……もしかして、あまりくちにあわなかった?」 「じゃーおぅ」 めーりんは体を横に振りました。 「だったらはやくたべなさいな。すいぶんがのこっているうちにたべたほうがいいわよ」 「じゃお、じゃお」 めーりんはその半分の草を口に咥え、ゆうかに差し出します。 「……もしかしてくれるの?」 「じゃおじゃーお」 めーりんは体を縦に振りました。 「……そんな、わるいわ。みつけたのはあなたなんだから」 「じゃお、じゃーおぅ」 それでもめーりんはニコニコしながらゆうかに草を差し出します。 「……ありがとう。それじゃあありがたくいただくわ」 「じゃお!」 めーりんから草を受け取ったゆうかは、口の中で良く噛んで草を食べました。 「とってもおいしわ。めーりんもおいしい?」 「じゃお!」 「ふふ……」 草を食べ終えた後、ゆうかは花の手入れをし、めーりんは花の近くに生えている雑草を抜いて手伝っていました。 お互いの作業を終えた後、ゆうかはめーりんに簡単な言葉を教えていました。 「いい?めーりん。それじゃいってみましょう。はい、『ゆっくり』」 「じゃ、じ、じゃぉ……」 「めーりんのばあいは『じゃ』を『じゅ』といってみたほうがいいわね」 「じ、じゅ……」 「がんばって、めーりん」 「じゅ…、じゅ…、……じゅおう!」 「……ふふ。もうすこしだったわね」 「じゃおぅ……」 「あせらなくてもいいわよ。すぐにできなくても、いつかできるようになるわ」 「じゃおう」 ゆうかは、めーりんが何を伝えたいのか、その全てを理解する事はできません。 ならばせめて、〝ゆっくり〟をいえるようになればどうだろうか。 「じゃお」以外にも言葉の種類が一つでも増えれば、きっとめーりんも喜ぶだろう。ゆうかはそう考えていました。 「きょうはここらへんにして、おひるねしましょうか」 「じゃお!」 めーりんとゆうかはお互いに寄り添い、すやすやと寝息を立てました。 「ZZZ……」 「すぅ……すや……」 花畑の中、お互いに微笑みながら眠っているその姿は、とてもゆっくりしたものでした。 「……ふぁぁ……。……あら、なんだかくらくなってきたわね」 先に目が覚めたゆうかは太陽の日が落ちて辺りが薄暗くなっている事に気づき、横でまだ寝ているめーりんを起こしました。 「おきて、おきて、めーりん」 「じゃおぅ……?」 未だ寝ぼけ眼のめーりんは、頭の中がぼーっとしたままです。 「もうくらくなっているわ。はやくかえらないとよるになるわ」 「じゃお!」 夜になると聞いて、めーりんは焦りました。夜になれば山は平和な世界から捕食種の世界へ変わります。 早く帰らないとれみりあやふらんといった捕食種に襲われてしまうかもしれないのです。 「じゃおじゃお!」 「それじゃあ、きえおつけてかえってね、めーりん」 ゆうかはめーりんの姿が見えなくなるまで見送っていました。 ========================================== Side A.Ⅱ 「めーりん」 「じゃおっ、じゃおっ……」 めーりんは暗い夜道を急いで跳ねていました。 早くお家に帰らないと。その事で頭が一杯でした。 もしれみりあやふらんに襲われてしまったらどうしよう。 めーりんはよりいっそう不安になってしまいました。 ですが、めーりんはその点の心配はしなくて良かったのです。 れみりあ種とふらん種は空を飛びながら獲物を襲う事が出来る捕食種です。 その二匹の主食はやはりゆっくり。他のゆっくりからは、ゆっくりキラーとして恐れられています。 ですが、その二匹が絶対に襲わないゆっくり種が存在します。 それは、さくや種とめーりん種です。 主にれみりあ種はさくや種を、ふらん種はめーりん種を優遇する傾向にあるのです。 何故その二種は襲われないのか。 現在ゆっくり研究学会でその理由を調査中ですが、未だ解明されていません。 「じゃおっ、じゃおっ……」 家路を急ぐめーりん。その焦りのためか、めーりんは転んでしまいました。 「じゃおっ!?」 幸い怪我はしませんでしたが、体が少し汚れました。ですが、そんな事を気にしている場合ではありません。 「じゃ、じゃおっ、じゃおっ……」 めーりんは再び跳ねようとしました。 その時です。 「めーりん!まって、めーりん!」 後ろから、花畑で別れたはずのゆうかの声が聞こえてきたのは。 後ろを振り返ると、ゆうかが息を切らしてこちらへ跳ねて来ます。 気のせいか、少し顔が青ざめているようでした。 やがて、ゆうかはめーりんに追い付きました。 「はぁ……、はぁ……」 どうしてゆうかは私の自分の事を追いかけてきたのだろう。何かあったのだろうか。 めーりんは少し不安になってきました。 そして、いくらか落ち着いたゆうかがめーりんにこう言いました。 「……あのね、……めーりん。……おねがいがあるの」 今まで一度も見た事がない、何かを誓ったような顔で。 ========================================== Side B.Ⅱ 「ゆうか」 「はぁっ、はぁっ……!」 ゆうかは暗い夜道を急いで跳ねていました。 ……時間が無い。 少しの時間も本当に惜しい。 急がなければ。急がなければ。その事で頭が一杯でした。 ゆうかは、〝ある事〟をめーりんに協力してもらおうと、めーりんを追いかけていました。 もしめーりんに追い付く事ができなければどうしよう。 ……そうなれば、自分一人でやるしかない。 自分一人だけで全て終わらせる事が出来るかどうかは分からない。 でも、自分だけでやれば、めーりんを巻き込まずに済む。ゆうかはそう考えていました。 ですが、頭で考えている事と実際の行動は180度違うものでした。 めーりんを巻き込みたくないはずなのに、私は今走っている。 ……なんて『ゲス』なのだろう、私は。ゆうかはそう思っていました。 たった一人の理解者なのに。 たった一人の友達なのに。 私は。その友達を利用しようとしている。 ……これでは、あのゆっくり達の言う〝ゲス〟と変わらないではないか。 ゆうかの頭の中では自己嫌悪の言葉が渦巻いています。 ですがゆうかは跳ねる事をやめて戻る事ができませんでした。 少し向こうで転んでいるめーりんを目にしてしまったから。 「めーりん!まって、めーりん!」 ゆうかはめーりんに向かって大声で叫びました。 ゆうかの声が聞こえたのか、めーりんはゆうかの方へ振り向きました。 今のゆうかの表情や雰囲気から何かを察したのか、めーりんは心配そうにゆうかを見ていました。 その表情を見て、さらにゆうかの胸の奥が痛みました。 「はぁ……、はぁ……」 めーりんに追い付いたゆうかは、どうすれば良いかどうか迷いました。 もし言えば。もしめーりんに頼めば、めーりんの性格から、私に協力してくれるだろう。 ……そうだ。私は。 「……あのね、……めーりん。……おねがいがあるの」 彼女の優しい心を。裏切るのだ。 ========================================== Side Other 「ドスまりさ」 「ドス!もうすぐでおはなばたけにつくね!」 「ゆゆ~ん!はやくあまいみつをすいたいよぉ!」 「あみゃみゃ~!」 「……そうだね、ドスも楽しみだよ」 時刻は昼。森の中を大勢のゆっくり達が行進していました。 先頭には背丈3メートルを超えるドスまりさが。 その後ろからは大勢のゆっくり達が付いてきました。 そう、このゆっくり達はドスまりさが治める群れのゆっくりでした。 そのゆっくり達が向かっているのはゆうかのいる花畑。 何故ゆっくり達が花畑に向かっているのか。 それは昨晩の事でした。 「……なにをしにきたの?あなたたち」 「……ゆうか。私達は、その花をもらいに来たんだよ」 めーりんがゆうかの花畑から帰って数十分後、ドスまりさ率いるゆっくりの群れが花畑に押しかけて来たのです。 「ゆうか!おはなさんをひとりじめにするのはゆるさないんだぜ!だからまりさたちにもよこすんだぜ!」 「そうだよ!あまあまなみつはみんなでわけるべきだよ!」 「あみゃあみゃよこちぇ~!」 ドスまりさの後ろでギャーギャー騒いでいるのは、昼間ゆうかが花を渡したゆっくり親子でした。 恐らく、この親子が群れの皆にゆうかの花畑の事を吹き込んだのでしょう。 ……あの時に殺していれば良かった。ゆうかはそう思いましたが、すでに後の祭りです。 「なかなかとかいはなおはなさんね!きっとさぞかしあまあまなのでしょうね!」 「ちーんぽ!びっくまらぺにす!」 「れいむはにんっしんっちゅうだよ!だからあまあまがひつようなんだよ!さっさとよこしてね!」 そのゆっくり親子につられ、他のゆっくり達も騒ぎ始めます。 「……あなたたちにはきのみやくだものがあるじゃないの。それに、ひるまにはなをわたしたじゃないの」 「なにいってるんだぜぇぇぇ!?あれだけでたりるはずがないんだぜぇぇぇぇ!!」 「そうだよ!ゆうかだけあまあまなおはなさんをひといじめなんてずるいよ!おはなさんはかってにはえてくるものなのに!」 「……」 内心ゆうかはかなり呆れていましたが、今更このゆっくり達に花の事を教えても理解できるとは思えないので、黙っていました。 「ゆうか、なにも全部取ろうって訳じゃないんだよ。半分くらいで良いんだ」 ゆうかとゆっくり達とのやり取りの中で一人黙っていたドスが口を開きます。 「「「「「「ドスぅぅぅぅ!?なにいってるのぉぉぉぉ!?」」」」」」 半分で良い。そのドスの信じられない発言に他のゆっくり達は猛反発です。 「……ドス。うしろのゆっくりたちがうるさいわ。……ふたりだけではなしをましょう」 「……分かったよ。ぱちゅりー、ちょっと皆を向こうへ連れて行って。ドスはゆうかと二人で話をしたいんだ」 「むきゅきゅ!?でも……」 「良いから。そうじゃないと話が全然進まないよ」 「むきゅう……わかったわ。みんな!さんぼうのぱちゅりーのいうとおりにしてね!」 他のゆっくり達は不平不満を言いましたが、全ては甘い花のため。しぶしぶ言う通りにしました。 「……だいぶしずかになったわね」 「そうだね、これで話も進めやすく「ドス」……何?」 「これが、あなたのいう『ゆっくりした』むれなの?」 「……そうだよ。私にはあの子達をゆっくりさせる義務があるんだ」 「そのけっかがこれ?たんなるあまやかしじゃないの。まるであかちゃんゆっくりだわ」 ゆうかが蔑むような眼でドスを見つめます。ドスはその視線から目をそらす事無くゆうかを見ていました。 「……しょうがないよ。これがゆっくりだもの。皆、自分がゆっくりできれば、それで良いって思ってるんだよ」 「そこまでわかってて、なんで「ゆうか」……」 「さっきも言った通り、私はドスだから。だからだよ。……例え、『ゲス』の群れでも」 「……かわったわね。……まりさ」 「……」 ゆうかはドスをドスでは無く『まりさ』と呼びました。『まりさ』は一瞬顔を曇らせましたが、そのまま黙っていました。 「ねぇ、まりさ。むかしのあなたはそんなこんじょうなしじゃなかったわ。じぶんにしょうじきで、だれよりもせいぎかんがあふれていたわ」 「……」 「あなたがドスになったとき、ほんとうにうれしかった」 「……」 「……まりさ。……あなたは、それでいいの?」 ゆうかの問い掛けに、『まりさ』は暫く黙ったままでしたが、やがて口を開きました。 「……良いんだよ。ドスは。これで。……幸せだよ」 「……」 「ドスぅぅぅ!!まだなのぉぉ!?はやくしてよぉぉぉ!!」 ゆうかと『まりさ』が話をしてまだ5分も経っていないのですが、我慢強くないゆっくりはそれだけで痺れを切らしていました。 「あぁ、ごめんね!もうすぐ終わるからね!」 「……」 「……ゆうか。明日の昼まで待つよ。それまでこの花畑から立ち退いていなかったら。……実力行使だよ」 「……わかったわ。あしたのひるね」 「「「「「「ドスぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」」」」」」 「皆!今終わったよ!明日の昼にまた来る事になったからね!」 「「「「「「なんでいまじゃないのぉぉぉぉぉ!!!!!!!」」」」」」 「もう暗いよ!早く帰らないとれみりゃやふらんが大勢やって来るよ!」 「「「「「「れみりゃ(ふらん)こわいぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」」」」」」 「分かった?それじゃあ今日は帰ろうね!」 『まりさ』は向こうに行こうとしました。 「……ばいばい。まりさ」 後ろからゆうかが声を掛けました。 「……」 ゆうかの言葉に対し、『まりさ』は何も言い返しませんでした。 「ドス~ついたよ~!!」 やがてドスの群れは花畑に到着しました。 花畑にはゆうかはいませんでした。 「……それじゃあ皆、食べて良いからね!」 「「「「「「ゆわ~い!!!!!!」」」」」」 ドスの許しが出たのでゆっくり達は我先にと花畑へ跳ねて行きました。 「ゆゆ~ん!おいしそうなはなだよぉ!」 その花は水滴が付いており、太陽の光に反射し、とても輝いていました。 他の花も同様で、まるでその花畑だけ別世界のような美しさを表現していました。 「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~!!」 「うっめ!これめっちゃうっめ!」 「ふ、ふん!まあまあそれなりじゃないの!」 「ちんぽっぽー!」 ゆうかが長い間愛で続けてきた花は、ものの数分でゆっくり達の腹の中に治まりました。 ドスまりさはその光景を無表情な顔で見つめるだけでした。 「げふぅ、おいしかったんだぜ!」 「ちあわちぇ~!」 ゆっくり達がいるそこはもはや花畑では無く、何一つない土地と化していました。 「おはなさん、つぎにれいむたちがくるまでにちゃんとはえていてね!」 「なかなかとかいはなあじだったわ!またたべてもいいわよ!」 ゆっくり達は口々に勝手な感想を並べていました。 「ゆげぇぇぇっ!?」 一匹のれいむが命の餡子を吐き出して絶命するまでは。 「れ、れいむ!?なんでグボェェッ!?」 「ぐ…ぐるじギュブゥゥッ!!」 「むきゅ……エレエレエレ……」 「ゆぴゃあぁぁ……」 「ぢんぼゴボボボ……」 「ぢにだぐだ……ゲボォッ!」 次々と餡子を吐き出し絶命していくゆっくり達。 数分前とは違い、そこは阿鼻叫喚の地獄絵図と化していました。 苦しむゆっくり達の表情は皆、訳が分からないといったものでした。 「ド…ドス……たすけ……ゴボッ……」 一匹のれいむがドスまりさに助けを求めました。 ですがドスまりさは少しも動こうとしません。 ドスまりさは、ただ一人だけその光景を無表情な顔で見つめるだけでした。 数分後、あの花を食べたゆっくり達は全て餡子を吐いてピクリとも動かなくなり、生きているゆっくりはドスだけになりました。 「……これで良かったのかなぁ……、私は。……まりさは。……ねぇ、ゆうかお姉ちゃん……」 ドス、いや、まりさは誰に言う訳でも無く、そう呟きました。 「……まりさは、もう、疲れたよ……」 そしてまりさは、一人山の奥深くへと消えて行きました。 その日を最後に、その山でまりさを見かけた者は、誰一人いませんでした。 ========================================== Side both.Ⅲ 「クズとゲス」 「……」 ゆうかは花畑からかなり離れた所で一人立ち止まっていました。 その表情は心底ゆっくりできていない、疲れ切った顔でした。 昨夜、ゆっくりの群れの訪問を受けたゆうかは、ゆっくり達が去った後にめーりんを追いかけました。 ゆうかがめーりんに頼んだ事。 それは、ゆっくり殺しの片棒を担ぐ事でした。 ゆうかは花や野草の知識に長けており、様々な花や草の特徴を熟知しています。 どの草がゆっくりにとっての猛毒を持っており、どれだけの量でゆっくりを死に至らしめるかという事も。 あの時ドスまりさがゆうかに実力行使をすると言った時点で、ゆうかは花畑の事を諦めていました。 いくら並大抵のゆっくりより強いからと言って、ゆっくり基準で反則級の実力を持つドスまりさに勝てるはずが無いのです。 ドスまりさ達が帰った後、ゆうかはすぐに花畑から立ち去る準備をしようとしました。 しかし、ゆうかの頭の中で一つの不安が浮かび上がりました。 ……もし、またあのゆっくり達に見つかったら。 もし、花畑を作るのに適した新天地を見つける事ができたとしても。 またゆっくり達がやって来るかもしれない。 そして先程と同じように、花を寄こすよう脅される。 何度も、何度も、何度も。 ……ゆっくりできない。 ゆうかはそう思いました。 ……あいつらがいる限り、自分はゆっくりできない。……そんなのは、嫌だ。 そして、ゆうかは非道な計画を実行に移す事にしました。 自分の大切な花と親友を利用してこそ、初めて成功する計画を。 まず、大量の毒草をかき集め、それを全て水に数時間浸す。 その毒草を浸した水を、全ての花に浴びせる。 そうすれば花に水が染み渡り、毒花の完成です。 しかしここで問題が一つありました。 使用する毒草はその草特有の臭いを発しており、花にも同じ臭いが染み付いてしまうのです。 もし誰か一人でも花から発する異臭に気付いたら、その花を食べようとはせず、計画は失敗に終わります。 そこで、めーりんの協力が必要なのです。 めーりんが昼間持ってきた『甘い』草。あの草を水に浸して毒花に浴びせれば、甘い臭いと毒草の臭いが相殺されるのです。 花畑の付近にはその草は生えていません。 ですので、めーりんだけが、その草の生えている場所を知っているのです。 もちろん、本当の理由をめーりんに教える訳にはいきません。 めーりんの優しい性格上、その事に反対するでしょう。そうなれば、草の生えている場所を教えてもらえません。 だからゆうかは、めーりんにこう言いました。 「ひるまにたべたくさ、とてもおいしかったわ。だから、またたべたいから、あのくさのばしょをおしえてほしいの」 何も知らないめーりんは喜んでその草の場所を教えてくれました。 めーりんが本当に帰った事を確認すると、ゆうかは急いでその場所へ向かいました。 めーりんに教えてもらった場所には、昼間の草が大量に生えていました。 ゆうかはその草を口に含めるだけ含め、花畑へと戻りました。 ……そして現在。 ゆうかの計画が完璧に遂行しているならば、今頃ゆっくり達はあの世へ逝っている事でしょう。 ……ドスまりさを除いて。 しかし、ゆうかは多分、ドスまりさはゆうかに対して復讐をしないだろうと思っていました。 理由は、昨夜のドスまりさの表情でした。 その表情は、今の自分と同じものでした。 心底疲れ果てており、早く楽になりたい。そんな表情でした。 それよりもゆうかには、ドス以上に気掛かりな事があったのです。 それは、めーりんの事です。 何も知らないめーりんは今日もまた、あの花畑へと向かうでしょう。自分に会うために。 そこにはゆうかも花畑もなく、代わりにたくさんのゆっくりの死骸がある事でしょう。 めーりんは訳も分からずにうろたえるでしょう。 その原因の一つが、自分であるとも知らずに。 「……めーりん……」 めーりんが真実を知った時。めーりんは間違いなく、私を怨むだろう。 裏切られ、ゆっくり殺しの共犯者になってしまったのだから。 めーりんに問い詰められた場合、隠し通せるとは思えません。 だから、ゆうかはめーりんに何も告げずに去る事を選びました。 めーりんには、これからも何も知らずに生きてほしい。 身勝手な理由だという事は分かっていました。ですが、今のゆうかはめーりんに会わせる顔がありませんでした。 「……さよなら。めーりん。……ゆるしてくれとはいわないわ」 ゆうかが再び歩き出そうとした、その時です。 「じゃおう!!」 そこには、傷だらけで目元が真っ赤になっているめーりんがいました。 昨夜、めーりんがゆうかに甘い草の場所を教え、ゆうかと別れた後の事です。 「すご……ね……ドス……」 「あした……はな……」 「とて……たのし……ね……」 「じゃお……?」 帰り道の途中、少し離れた所からゆっくり達の声が聞こえてきました。 何故こんな時間に……? その事が気になっためーりんは、危険と思いながらも声のした方へと慎重に跳ねて行きました。 そこには大勢のゆっくり達が騒がしく談笑をしていました。少し離れた所にはドスまりさがいました。 めーりんは茂みの中に隠れ、ゆっくり達の会話に耳を傾けました。 「ゆゆん!あしたがたのしみだよ!」 「ほんとだね!あしたになればおいしいおはなさんをいっぱいむ~しゃむ~しゃできるよ!」 「あのゆうかがまだいたら、こんどこそようしゃはしないよ!」 お花。ゆうか。ゆっくり達から発せられたそのキーワードを聞いためーりんは青ざめました。 「ドスにかかればゆうかなんていちころだよ!」 「そうだね!ドスにかてるはずがないもん!」 大変だ。ゆうかがドスまりさに殺される。 めーりんは急いで茂みから抜け出し、ゆうかがいる花畑の方向へ向かいました。 早く知らせなければ。ゆうかが危ない。 めーりんはゆうかの身を案ずる気持ちで一杯でした。 しばらくすると、ゆうかの花畑が見えてきました。 そして、花畑の中央にはゆうかがいました。 「じゃ……!?」 めーりんはゆうかに声をかけようとしましたが、それができませんでした。 ゆうかは一心不乱に何かを花にかけていました。何度も、何度も。 ゆうかの表情は、ただただ必死そのものでした。 ……なにかが変だ。めーりんはそう思い、ゆうかの目に見えないように、木の陰に隠れました。 ゆうかの周りを良く見回すと、水に濡れた二種類の草が落ちていました。 一つは、先程の草。 そしてもう一つは……、めーりんが一度目にした事がある草でした。 以前、その草を見つけて食べようとした矢先に他のゆっくりが現れ、めーりんの目の前でその草を食べてしまいました。 途端にそのゆっくりは苦しみ出し、餡子を吐き出して永遠にゆっくりしてしまいました。 ……食べなくて良かった。 この時初めて自分が虐められている事に感謝しました。 それと同時に、その草の危険性がしっかりと頭の奥に刻み込まれたのです。 何故あの草をゆうかが持っているのか。めーりんは分かりませんでした。 しかし、めーりんが必死になって花にかけている物が水だという事は分かりました。 あの草は水で濡れていた。ゆうかは今、花に水をかけている。つまり……。……!! その瞬間。めーりんは理解してしまいました。ゆうかが何をしようとしているのかを。 それは、とてもゆっくり出来ない事です。 それは、ゆうかにとって、とてもゆっくり出来ない事でした。 ですが。ですが。 「じゃおぅぅ……!!」 めーりんは、ゆうかを止める事ができませんでした。 もし、自分がこのままゆうかを止めなかったら。 あの花はとても危険だ。そんな花をあのゆっくり達が食べたら。 ……確実に、死ぬ。そうなれば……。 自分は、これからずっと、ゆっくりできる。 そう考えてしまっていたのです。 毎日毎日虐められ、罵られる日々。 苦労して探した食糧はいつも横取りされ、腹を空かす日々。 『クズ』めーりんとして情けない思いをして過ごす日々。 ……自分が永遠にゆっくりするまで。 ……そんなのは、嫌だ。 あいつらが全員死ねば。 自分は。『クズ』じゃなくなる。 めーりんは、そう考えてしまったのです。 そして、めーりんは振り返る事無く、その場を去りました。 自分は何も見なかった。何も聞かなかった。 そう自分に言い聞かせながら。 「……じゃお」 翌日の昼、めーりんはゆうかの花畑へ向かいました。 そこには、綺麗な花も、大好きなゆうかも、何もありませんでした。 代わりに、絶望の表情を浮かべながら事切れているゆっくり達の死骸があるだけでした。 「じゃおぅ……」 何故だろう。こうなる事は、自分が望んでいた事なのに。 「じゃおぅ……」 これで、自分はゆっくりする事ができるのに。 「じゃ、じゃ、おっ、う…、うっく……う、うぅ……」 目から涙が、勝手に溢れてくるのです。 めーりんは、とても後悔していました。 自分がゆっくりしたいから。 その為だけに。 ゆうかをゆっくり殺しにしてしまったのです。 確かに実行犯はゆうかです。 自分がした事は、甘い草の場所を教えただけ。それだけです。 自分が殺した訳ではありません。 ですが。 自分は。世界で一番大好きなゆうかを。利用してしまったのです。 「じゃおおぅぅぅぅ……!!」 花を愛する優しい心を持ったゆうかを。利用してしまったのです。 めーりんは泣きました。泣いて、泣いて、涙が枯れる位に泣きました。 そして。 「……じゃお……!」 流せる涙が一滴も無くなっためーりんは。 走り出しました。 ゆうかに会いたい。その一心で、走り出しました。 会いたい。会って。謝りたい。謝って償いきれる罪じゃ無いけれど。 会いたい。ただ、それだけでした。 何度も転びました。何度も木にぶつかりました。何度も新しい傷を作りました。 それでもめーりんは走る事を止めません。 走って、走って、走って。 そして……。 「……どうしてあなたがいるの……?……めーりん」 そこには、泣きそうな顔で自分を見つめるゆうかがいました。 「……めーりん。……わたしね。……あなたをりようしたの」 ゆうかはめーりんにそう告げました。 「じゃおじゃーお」 めーりんは頷きました。 「……しってたの?」 ゆうかはめーりんに問いかけます。 「……じゃお」 めーりんは短く頷きました。 「……わたしね。ゆっくりごろしなの」 ゆうかは自分の罪をめーりんに告白しました。 「じゃお、じゃーお」 めーりんは何度も頷きました。 「じゃお、じゃおじゃお!」 めーりんは自分の罪を告白しました。 「……ごめんなさい。なにをいっているかわからないわ」 ゆうかは正直に答えました。 「じゃ、じゃお……」 めーりんは少しへこみました。 「……もしかして、あなたも、わたしとおなじことをしたというの……?」 ゆうかはめーりんに問いかけます。 「……じゃお!」 めーりんははっきりと頷きました。 「……あなたはわたしをとめなかったのね?」 ゆうかはめーりんに問いかけます。 「……じゃお」 めーりんは短く頷きます。 「……あなたは『クズ』ね……」 ゆうかあめーりんにそんな言葉を投げかけました。 「……」 めーりんはその言葉が胸に突き刺さりましたが、静かに頷きました。 「……わたしは『ゲス』だわ」 ゆうかは自分をそう呼びました。 「じゃ、じゃお!じゃおじゃおう!」 めーりんは体全体を横に振らせて否定しました。 「たとえ、どんなりゆうがあったとしても……、わたしと、あなたは、『クズ』と『ゲス』なのよ」 「……」 二人の間に、しばらく沈黙が流れました。 「……ねぇ、めーりん」 先に沈黙を破ったのはゆうかでした。 「じゃお……?」 めーりんはゆうかの言葉を待っていました。 「……ごめんなさい」 ゆうかはそう言うと、めーりんの胸へ飛び込んできました。 ゆうかは、静かに涙を流しました。 「……じゃおぅ」 めーりんはそう言うと、ゆうかの体を受け止めました。 めーりんは、静かに涙を流しました。 二人は、ただただ、お互いに体を寄り添いあいながら、静かに泣き続けました。 互いに犯した罪は、永遠に許されないものでした。 ですが、今は二人とも、ただ泣いていたかったのです。 そこには、静かに泣き続ける、二人の『クズ』と『ゲス』の姿があるだけでした。 END あとがき 反省点をいくつか。 1.めーりんとゆうかがメインのSSを書きたかったのに、めーりんの影が薄くなってしまいました……。 2.ゆうかとドスまりさの関係をまとめきれなかったような気が……。 3.見直してみると、やっぱり無理矢理感が漂っているような……。 結論 やっぱりSSを書くのって、凄く難しいです! もし次のSSを書く機会があるなら、もみじかさとりが主人公のSSを書きたいなぁ……。 ご感想、お待ちしています。
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ゆっくりのいるお庭 11KB 虐待-普通 制裁 愛で 自業自得 差別・格差 ツガイ 群れ 飼いゆ 野良ゆ 捕食種 希少種 都会 透明な箱 現代 虐待人間 愛護人間 独自設定 感想・批評・ツッコミを頂けると幸いです びきびきとすっきりーのバランスが悪いかもしれません 希少種優遇注意 意味不設定有 ゆっくりのいるお庭 男は休日の陽光を体に浴びつつ、買い物袋を片手に提げて、家路を歩いていた。 鼻歌を歌いながら、男が今夜の夕飯に思いをはせていると、何処からか話し声が聞こえてきた。 男が周囲を見回すと、前方にある電信柱の辺りから、声は聞こえている。電信柱の陰からは、丸い物体が跳ねているが見えた。 男は電信柱の陰になった部分が、露わになる場所にまで歩を進める。見えてきたのは、世間では謎の不思議饅頭と称されている、ゆっくりだった。 赤いリボンのゆっくりれいむと、黒い帽子のゆっくりまりさ、容姿は薄汚れており、飼われていることを示すものは何も見えない。 典型的な野良ゆっくりだ。 奥にもう一匹ゆっくりがいる。どうやら二匹のゆっくりは、奥のゆっくりを虐めているらしかった。 奥のゆっくり−緑の帽子をかぶった赤い髪のゆっくり、ゆっくりめーりんが目に入ったとき、男の頭にふと疑問が浮かんだ。 男はゆっくりに詳しいわけではない。ネットでかじった知識と、野良ゆっくりをあしらった経験があるくらいだ。 だから、男は疑問の答えを目の前のゆっくりに求め、行動した。ゆっくりに声をかけたのだ。 「なんでそいつを虐めるんだ?同じゆっくりだろう?」 二匹のゆっくりは比喩抜きに跳ね上がる。めーりんを虐めるのに夢中で、男の接近に気付いていなかったようだ。 「びっくりさせないでね!」「しんぞうがとびでるところだったんだぜ!」 ゆっくりが抗議の声を上げる。 「いいから、答えろよ」 男は取り合わず、答えを促す。 「めーりんはゆっくりじゃないよ!」「ぐずといっしょにしないでほしいのぜ!」 「どう見てもゆっくりだろう?」 人間の頭部をデフォルメしたような造形で、饅頭としかいいようのない構造。人から見れば差異など見受けられない。 「ゆっくりだけどゆっくりじゃないよ!」「ぐずはゆっくりしてないのぜ!」 「あー、つまり、ゆっくりしていないゆっくり、ということか?」 どうやら、種は同じだと認識しているが、状態が自分達とは違うと主張したいらしい。 「だからそういってるでしょ!れいむのいってること、りかいできる?」「わからないの?ばかなの?」 男は閉口する。内心、名詞と副詞を一緒にするなと思っていた。 「何処がゆっくりしていないんだ?」 何処が違うのか男には判らなかった為、改めて聞きなおす。 「じゃおしかしゃべれないんだよ!」「ぐずなんだぜ!ゆっくりしてないんだぜ!」 「「だからすきにしていいんだよ!」」 口調が違っていた筈の二匹が、きれいにはもる。 「ゆっくりしていないゆっくりは、どうしてもよいと?」 人が聞けば不快にしか思えない論理展開。 「そうだよ!」「ぐずはゆっくりしてないから、かずもすくないんだぜ!」 「れいむとまりさはゆっくりしてるから、いっぱいいるんだよ!」「ぐずはすこししかいないんだぜ!」 ゆっくりの価値観は、本能レベルで刷り込まれた思い込みがその大半を占める。 構造が異なる肉食草食動物と違い、構造は凡そ共通ながら、捕食種被捕食種の関係に分かれるのは、まさに思い込みに因るところが大きい。 その思い込みによって、ゆっくりしているゆっくりは受け入れ、ゆっくりしていないゆっくりは排除される。 行動が異なるめーりん種など、希少種はゆっくりしていないから、利害が対立するれみりや種など、捕食種はゆっくり出来ないから。 しかし、教育や経験によって思い込みが上書きされることもあり、希少種を受け入れたり、捕食種を捕食する通常種の個体も存在する。 この二匹のゆっくりは、生来の思い込みが補強される形で経験を積んだようだ。 ゆっくりしている=数が多い、ゆっくりしていない=数が少ないという、自分に都合がいい理論を組み立てている。 「こたえてあげたんだから、あまあまちょうだいね!たくさんでいいよ!」「あまあまおいたら、とっととかえるんだぜ!」 男はれいむとまりさを道の向こうへと蹴り飛ばす。 「かわいいれいむに、なにするのおぉぉっ!」「じじいはゆっくりしてないんだぜえぇぇっ!」 「ゆっくりしてないのは虐めていいんだろう?」 要求してくるゆっくりは無視するか、蹴り飛ばす。町を行き来するうちに学んだ、一般的な野良ゆっくり対処法を実践した男は、抗議の声を上げてくるゆっくりに、ゆっくりが先程まで得意げに披露していた内容をそのまま返す。 「俺から見れば、おまえらはゆっくりしていないんでな」 ゆっくりがさらに抗議の声を上げようとするが、男が足の素振りをするのを見てとると、こけつまろびつ跳ねて逃げていった。 「じゃおー…」 いささか弱々しいゆっくりの声を聞いた男が振り返ると、虐められていためーりんが頭を下げるような動作をしていた。 お礼を言っているようだ。 買い物袋を傍らに置いて、男がめーりんの頭を撫でてやると、めーりんは目を瞑って男に身を任せた後、何かに気付いたようなそぶりを見せた。 めーりんが何に気付いたか思い当たった男は、買い物袋の中から買っておいたたこ焼きを取り出し、めーりんに食べさせた。 「じゃおーん!」 たこ焼きを食べさせてもらっためーりんは、にっこりと微笑んだ後、男に向かってありがとうと言うように一声鳴いた。 ペットとされるゆっくりは、言葉でコミュニケーションがとれるのも魅力の一つとされている。 しかし、躾のされていないものや、甘やかされ増長したものは、沈黙は金なりという言葉を実感できる程、うるさく、聞くに堪えない罵詈雑言を口にする。 騒々しいのが嫌いな男は、ゆっくりをペットとする人間の気持ちが分からなかった。 けれど、このめーりんは素直にかわいいなと思えた。 「家に来るか?」 たこ焼きを食べさせながら、めーりんに問いかけた男は、めーりんを抱えあげ、家に連れ帰った。 めーりんを家に連れ帰った男は、めーりんと一緒に暮らし始めた。 めーりんの一日は、日中は男が仕事でいない部屋で昼寝をして過ごし、日没後は仕事から帰った男の愚痴を聞いたり、男に撫でられたりして終わる。 休日には同じアパートに住む子供達と、アパート共有の庭で遊そぶ。結構な人気者だ。隣に住む女の子などは、両親にうちでも飼いたいとねだっていた。 日頃の様子やネットで調べためーりんの生態によれば、めーりんは昼寝が大好きで、特に日向ぼっこが好みらしい。 皮は分厚く、他のゆっくりよりも頑丈だ。皮が厚い為、すりすりによるすっきりーでは、内部にまで精子餡が浸透せず、にんっしんっしにくい。 また分厚い皮に中身の餡が圧迫されている為か、人語を喋ることは出来ない。しかし、こちらの言うことはちゃんと分かるようで、けして頭は悪くない。 何かを守ることを良しとする気性の持ち主でもある。 休日のある日、めーりんはアパート共有の庭を女の子と一緒に跳ねていた。 この日、めーりんは隣の女の子と一緒に遊ぶ約束をしていたのだ。 男は女の子とめーりんが、一緒に遊んでいるのを少しの間眺めた後、買い物に行くから庭を出てはいけないよと言い残し、近くのコンビニに買い物に出かけた。 女の子はご満悦だった。 いつも一緒に遊んでいるアパートの他の子供達は、親に連れられて出かけており、自分の両親も用事で外に出かけている。 お気に入りのめーりんを独占できるのだ。 女の子はめーりんといっしょに跳ねたり、めーりんを抱えて転げまわったり、絵札を使って神経衰弱のような遊びをしたりした。 女の子とめーりんの笑い声が庭に響く中、それを打ち消すような大声が、庭に入ってきたゆっくりから発せられた。 「ゆっくりみつけたよ!」「まりさとれいむにはむかったぐずは、ゆるさないんだぜ!」 「「あのじじいがいないうちに、せいっさいっするよ!!」」 めーりんを虐めていたれいむとまりさが、男に蹴られたのを恨み、周りのゆっくりに声をかけ、復讐にやって来たのだった。 れいむとまりさは男のことも恨んだが、何より許せないのは、ぐずの分際で男にゆっくりしている自分達を蹴らせためーりんだった。 もちろん、めーりんが蹴らせたわけではなかったが、れいむとまりさの餡子の中ではそういうことになってしまっていた。 れいむとまりさ達は男が出かけたのを見計らい、めーりんにせいっさいっを加えようというのだ。 「れいむたちのじゃまするきだね!」「ぐずとなかよくするばばあも、せいっさいっするんだぜ!」 「ひっ」 れいむとまりさは女の子にも敵意を見せる。 大人であれば、いかに子供とはいえ、ゆっくりが人間に危害を加えられるとは思わないだろう。事実そうだ。無抵抗の赤子ならともかく、小学生ほどにもなれば、ゆっくりなどには負けはしない。 しかし、子供にはそんなことは分からない。子供にしてみれば、ボールサイズの何かが自分に向かって跳ねてくるのは、恐怖以外の何ものでもない。それが自分に対する罵倒を口にしていれば、尚更だ。 「じゃおおおぉぉぉーーーーーーんっっっ!!!!!!」 ゆっくり達の敵意を打ち砕かんと大きく吼えためーりんが、怯える女の子の前に立つ。 めーりんの背中には見える筈の無い文字が浮かんで見えた。 引かぬ、媚びぬ、顧みぬ 例えこの身が砕け散ろうとも、わが心に後退の二文字無し 不退転の意を込めて、覚悟完了!!! 「ゆゆゆ、なまいきだよ!」「みんな、いくんだぜ!」 馬鹿にしていためーりんの咆哮に気圧されたゆっくり達は、それを隠すようにめーりんに突撃していった。 めーりんは体当たりをはね返し、噛み付きを避け、押し潰そうとするゆっくりを投げ飛ばす。 そこにはれいむとまりさに虐められていためーりんの姿は無い、女の子を守る為、一対多数の不利さえ跳ね除けた。 ゆっくり達は自分達の方が数が多いのに、相手はぐずのめーりんなのにと、めーりんの奮闘に焦りを覚えた。 「んほおぉぉっ!」 その時何が起きたのか、突如として発情したゆっくりありすがめーりんに体を擦り付け始めた。 ありすに気をとられためーりんを、反対側から枝を咥えたゆっくりようむが襲う。 「じゃお?!」 めーりんの頬に枝が突き刺さる。 ようむは素早く枝を引き抜いて下がり、そこにゆっくりちぇんが噛み付いて傷穴を広げた。 めーりんは傷を負い、ありすに圧し掛かられ、身動きが取れなくなった。 「ぐずはやっぱりぐずだね!」「げらげらげら!いいざまなんだぜ!」「もううごけないんだねー!わかるよー!」「ちーんぽ!」 先程までの焦りは何処へやら、ゆっくり達は余裕の笑みを浮かべている。 「んほおぉぉっ!きもちいいわあぁぁっ!」 「すっきりー!したら、ぐずはうごけなくなるね!」「みんなでぐずのちびを、ちぎってやるんだぜ!」「むきゅ、それはいいかんがえね!」 ひたすらにめーりんに体を擦り付けているアリスを横目に、ゆっくり達はめーりんがにんっしんっした後、どうするか話している。 「だれか、だれかめーりんを助けてーっ!」 「くるわけないでしょ!ばかなの?しぬの?」「ばばあはばかなんだぜ!あんこのうなんだぜ!」 女の子の悲痛な叫びをゆっくり達は嘲笑する。 「すっきりー!」 ありすがすっきりーしてしまった。ゆっくり達はめーりんをいたぶりつくしてやろうとめーりんの額に目をやる。しかし、めーりんの額に茎は生えない、おなかが膨らんだ様子も無い。 「「「ゆゆゆ?」」」 ゆっくり達が混乱していると、翼が太陽を遮った。 「じゃまだよ!ゆっくりしないでどいてね!」「どくんだぜえぇーっ!」 買い物から帰り、庭に顔を出した男は、何かから逃げるようにこちらに突っ込んできたれいむとまりさを蹴り飛ばした。 男が庭を見回すと、女の子が傷を負っためーりんを抱えて泣いており、女の子とめーりんの周りをゆっくりふらんが心配そうに飛び回っている。 その周りには野良ゆっくりと思しきゆっくりが散乱していた。 男に気付いた女の子から事情を聞き、男はめーりんに手当てを施す。 女の子の話では、通りすがりのふらんがめーりんの危機を救ってくれたらしい。 男はふらんに礼を言った。 「うーっ!」 男はめーりんに手当てを施した後、散乱しているゆっくり達を集めて回った。まだ息があるようだ。 いくばくかの時が流れた後、アパートの庭にはゆっくりの群れが出来ていた。 群れといっても2桁にもならない小規模なもので、希少種で構成されている為、繁殖力が弱く、子供も手に余るほどには生まれない。 ペットショップで買われたゆっくりもいれば、何時の間にやら群れの一員になっていたゆっくりもいた。 この町は野生のゆっくりが下りてこられるほど、山野に近いわけでなく、それらのゆっくりは野良ゆっくりであったようにも見えない。 何処から来たのかと、大人は頭を捻ったが、大きな問題が起こったわけでもないので、皆気にしないことにしていた。 今日は日曜日。アパートの庭にはゆっくりとした光景が広がっていた。 隣の女の子が親に買ってもらったゆっくりゆうかは、花壇の手入れをし、何時の間にやら住み着いたゆっくりちるのは、暑がりのお兄さんに抱きつかれている。 日差しが気になるお姉さんにつつかれて、ゆっくりるーみあはまぶしいのかーと言いながら影を出し、日除け代わりにされている。 めーりんは隣の女の子と一緒に日向で昼寝だ。 男はめーりんの周りを飛んでいたふらんに、茎からとった実を投げる。ふらんは空中でぱくりと噛み付き、あっさりと平らげた。 男は庭から部屋の中へと視線を転じ、プラスチックケースの中に押し込められ、額に茎を生やしたれいむとまりさの番に声をかけた。 「みんな、ゆっくりしているだろう?」 あんよを焼かれ、舌を抜かれた二匹は、動けず、喋れず、目の前の光景を見て涙することしか出来ない。 無理やり作らされた、しかしゆっくり出来るおちびちゃんは、挨拶を交わすことなくふらんに食べられていく。 「ゆっくりしていないゆっくりは、どうしてもよかったんだよな?」 ゆっくりできない、ゆっくりしたいと、れいむとまりさは強く思った。 「お前らもそこで、いつまでもゆっくりしていってね」 挿絵 by全裸あき 書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 732 門番ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 741 ゆっくりマンション ふたば系ゆっくりいじめ 751 門番ゆっくり めーりんの場合 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る めーりんって可愛いよね -- 2021-10-30 17 01 23 通常種では基本、ちぇんとみょんが優遇されてるよね。 やっぱり、れいむとまりさに比べて見た目可愛いし。ゲス化率も低いからかなぁ -- 2018-02-21 19 11 57 希少種にもゲスはいる。 ただ、通常種(特にれいむ種とまりさ種)の絶対数が桁違いに多い。 だから割合で発生するゲス=通常種というSSが多くなるだけ。 ※コメント欄に霊夢と漢字表記している人が稀に居ますが、 霊夢とれいむは別物なので注意していただきたい。 -- 2018-02-16 02 16 28 めーりんふらんよくやっためーりんふらんが来るまでよく頑張ったな死ななくてよかった最後のれいむとまりさホントにくずだな -- 2017-04-22 21 15 28 めーりんカッコよかったww -- 2017-03-18 20 22 58 ↓それな -- 2016-12-15 06 43 59 ↓それな(´・Д・)」 -- 2016-09-14 20 29 21 通常種ってほんとキモいww(ちぇん、善良は例外) -- 2016-07-16 00 37 40 めーりん!!!!!!!!!!かっこよすぎるよおおおおおおおお!!!!!!!!!!! \(´;o;`)/ -- 2016-06-19 11 16 11 ホント希少種って通常種と違って可愛い -- 2016-06-05 11 49 17 めーりんかわいいいいいい 欲しいよ! -- 2016-04-10 11 32 32 稀少種は大体良いのに普通種は下衆が多い。 特に魔理沙と霊夢とアリスは下衆が多すぎ、 下衆ゆっくりはこの作品のゆっくりめーりん を見習って欲しいけど下衆のほとんどが餡子脳 だからわからないと思う。 -- 2016-03-14 00 44 40 こういう救済系大好きだぜ -- 2016-01-16 00 13 48 フランやさしい -- 2015-11-13 22 17 00 めーりんかっこかわいい!! めーりん欲しい!! -- 2014-11-03 21 31 58 めーりんかっけえ ゴミ饅頭共とは大違いだわw -- 2014-06-22 21 59 17 退かぬ! 媚びぬ! 顧みぬ! -- 2014-06-15 22 40 19 めーりん欲しいお #128541; -- 2014-04-28 16 04 21 めーりん欲しい!щ(゜▽゜щ)よな? -- 2014-01-02 22 42 10 やっぱめーりんいいわぁ… -- 2013-09-03 03 28 51
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『身分が違いすぎた二匹のお話』 36KB めーりんとぱちゅりーが主役です 「ゆっゆーん!まりさのおちびちゃんはかわいいんだぜ!」 「おちびちゃんはとってもゆっくりしてるわ!」 「ゆっくちゆっくち~!」 「ときゃいは~ときゃいは~!」 森の中にあるいくつもあるゆっくりの巣穴。 その中の一つからゆっくり一家の和気藹々とした声が聞こえてくる。 巣穴の中では父親まりさと母親ありすと、二匹の子供である数匹の子ゆっくりが和気藹々と談笑していた。 互いにすーりすーりをしたり、のーびのーびをしたり、ぺーろぺーろをしたりなど、一家は思う存分親子のふれあいを堪能している。 しかし、そんな家族同士のスキンシップに参加出来ない一匹のゆっくりがいた。 「じゃおーん…」 一家から少し離れた場所に、子ゆっくりくらいの大きさのめーりんがいた。 お飾りや肌は土まみれで、さらに全身に細かい傷がいくつも付いている。 めーりんは悲しそうな目をしながら、楽しげな一家を遠くから眺めていた。 「ゆ!?くずがこっちをみているわ!」 「ちっ、みてるんじゃないのぜくず!」 「くじゅのくせにじかくがたりにゃいのじぇ!まりしゃさまがじきじきにみのほどをおしえてやるのじぇ!」 子ゆっくりの中でも一番体が大きな子まりさが、めーりんに近づく。 この子まりさは子ゆっくりの中で最初に生まれたゆっくりで、他の姉妹よりも活発な性格と態度のデカさ、そして他の全ての存在を見下すプライドの高さを持っていた。 一家がめーりんを虐めるときは、常に長女まりさが率先して行っていた。 「まりしゃのうるとらすーぱーでらっくすあたーっく!」(ボスン) 「じゃお!?」 「げりゃげりゃげりゃ!ぼーるみたいにころがってりゅのじぇ!おもしろいのじぇ!」 ころころと転がっていくめーりん。 その様子を見て一家は歓声を上げる。 「ゆゆーん!まりさのおちびちゃんはたよりになるのぜ!」 「おやこうこうなおちびちゃんをもってありすはしあわせだわ!」 「「「「おねーしゃんかっこいいー!」」」」 「ゆっふっふ!それほどでもあるのじぇ!」 家族全員に褒め称えられて有頂天になる長女まりさ。 一家の誰一人として、めーりんを省みるものはいない。 「おちびちゃん!くずをしつけるのもいいけど、そろそろこっちでごはんさんにするわよ!」 「ゆゆ!まりしゃおにゃかぺーこぺーこだじぇ!」 「ありしゅもおにゃかちゅいちゃー!」 「むーちゃむーちゃすりゅよ!」 子ゆっくりたちは食事に呼ばれたため、再び両親の元に集まる。 めーりんは体当たりされてボロボロになった体を引きずって、一家からさらに離れた場所、巣穴の隅っこに蹲った。 このめーりんは誘拐された子でもなければ、家を乗っ取られて奴隷にされた子でもない。 正真正銘、まりさとありすの子供である。 極稀に両親のどちらとも違う種類のゆっくりが生まれることがあり、その現象は『チェンジリング』と呼ばれている。 『チェンジリング』が発生する原因は、餡伝子による先祖帰りとか突然変異によるものだとかいろいろ言われているが、そのメカニズムは一切解明されていない。 発生する確率は、万に一つとも億に一つとも言われ、その希少性から、生まれた子供は幸運を運ぶ存在であるという言い伝えがある。 しかし、生まれてくる『チェンジリング』のゆっくり全てが、生まれたときに祝福されるわけではない。 中には、このめーりんのように同族のゆっくりから嫌われるゆっくりが生まれてくることもあるのだ。 「じゃお…」 「ゆゆ!?みんにゃみてみるのじぇ!くじゅがうずくまってないてるのじぇ!」 「ゆっぷっぷ!おおみじみぇみじみぇ!」 「みりぇばみりゅほどゆっくりしてにゃいわ!」 「まったくだぜ!それにくらべてまりさのおちびちゃんたちはとってもゆっくりしてるのぜ!」 「そのとおりね!あんなきたならしいくずとはおおちがいだわ!」 両親や姉妹はめーりんを心底嫌っていた。 めーりんが何かしたわけではない、ただ『めーりんはくず』というゆっくりの価値観に従い、心の底から蔑んでいるのだ。 親に罵倒され、姉妹からは貶され、めーりんは家にいながら満足に食事をすることも寝ることも出来なかった。 普通のゆっくりならとっくに潰されているか、非ゆっくり症を発症していることだろう。 だがめーりん種特有の丈夫な皮膚と我慢強い精神から、何とか今日も生き延びることが出来ていた。 父まりさと母ありすも姉妹たちも、本当はこんなくずさっさと殺してしまいたかった。 しかし長であるぱちゅりーにめーりんが生まれたことを話したとき、 (むきゅ!それはとりかえっこというものね!とりかえっこはむれにしあわせーをひきよせるのよ!) (ありす!まりさ!めーりんをいじめてもいいけどころすのはぜったいにだめよ!しあわせーがにげてってしまうわ!) と言われ、まりさとありすは仕方なくめーりんの世話をしていた。 食事を終えた後、遊びたい盛りの子ゆっくりたちは巣の外へと出かける。 子ゆっくりたちが次々と外に出て行く中、長女まりさは両親に話しかける。 「それじゃあ、まりしゃはぱちゅりーにあいにいくのじぇ!」 「おちびちゃんはきょうもおさのところにいくのぜ?」 「まりさのおちびちゃんはほんとにぱちゅりーのことがすきなのね!」 「ゆっふっふ!まりしゃとぱちゅりーは『そうしそうあい』なのじぇ!それじゃあいってくるのじぇ!」 「「いってらっしゃいおちびちゃん!」」 子ゆっくりたちを見送る両親。 その後、二匹はめーりんの方を向き、険悪な表情で睨みつけた。 「おいくず!いつものようにおまえもとっとといえからでていくのぜ!」 「そうよ!すこしでもおまえといっしょにいたくないんだから、よるになるまでどっかいってなさい!」 「じゃお…」 まりさとありすは子ゆっくりたちが全員出て行ったのを見計らって、めーりんを巣の外に追い出す。 以前両親は、めーりんに無理やり狩りをさせたことがあったが、その時は雀の涙程度の食料しか採ってこれず、 全く役に立たなかった(そもそも知識も経験も体力もない子ゆっくりに、家族を養えるだけの食料を採ってくるなど無理な話だが…)。 そのため一家にとってめーりんは子供たちの遊び道具にしかならない存在であり…… 子ゆっくりたちがいない今、一家にとってめーりんは邪魔で鬱陶しいだけの存在でしかなかった。 …… 巣穴を追い出されためーりんは、ある方向に向かって一直線に跳ねていく。 「ゆゆ!くじゅのめーりんがいりゅよ!」 「こらおちびちゃん!くずなんてみてたらくずがうつるよ!」 「ゆひぃ!?ごめんにゃしゃいおきゃーしゃん!」 途中群れのゆっくり数匹がめーりんを見たが、皆めーりんを見下して笑うか無視していた。 めーりんはしばらく進んでいくと、目の前に一本の木が生えた小高い丘が見えてきた。 「じゃお、じゃお」 ここはあちこちを回ってきためーりんがようやく見つけた、誰にも邪魔されずにゆっくりできる場所である。 場所は群れの外れにあり、しかも近くに食料となるものが何も無い。 そのため狩りをする他のゆっくりがこの場所に近づくことはなかった。 めーりんは丘の上に登ると、木の根元に寄りかかる。 そこは見晴らしが良くてほどよい日陰になっており、休むには最適な場所であった。 「じゃおー…」(すぴー、すぴー) めーりんはそこで目を閉じると、すぐに昼寝を始めた。 群れのどこにも居場所がないめーりんにとって、そこは唯一心が安らげる場所であった。 晴れた日はいつもこの丘に来て眠り、雨の日は姉妹たちの遊び道具にされる。 そんな日々をめーりんは過ごしていた。 ―――― 群れの中央にある広場の近く、そこには群れの長巣穴がある。 巣穴の中には長ぱちゅりーと、その娘のぱちゅりーの二匹が暮らしている。 親と子が一緒にいる家庭、だがそこでは一家団欒とは程遠い光景が繰り広げられていた。 「むきゅ!ほらなにぼーっとしてるの!?まだやることはのこってるわよ!つぎはこのもんだいをときなさい!」 「おかーさん、ぱちぇはつかれたわ…すこしやすませて…」 「むきゅうううう!なにあまったれたこといってるのおおおおお!?そんななまけたたいどでぱちぇのあとをつげるとおもってるのおおおおおおお!?」 「むきゅ…」 娘のぱちゅりーの前には地面に小枝や石といった様々な備品が置かれており、そのすぐ傍には群れの長である母ぱちゅりーが厳しい表情で娘を叱咤している。 この二匹が今何をしているかと言えば、一言で言えば勉強である。 長としてやるべきことや学ばなければならないことなど、長自らの英才教育を娘のぱちゅりーに施していた。 「おしゃ!ゆっくちしていくのじぇ!」 「あらまりさのおちびちゃん、ゆっくりしていってね!」 (!?) 不意に巣穴の外から、一匹のゆっくりが入ってくる。 そのゆっくりは、めーりんの姉妹であり、先ほどまでめーりんを虐めていた、長女まりさであった。 「ゆゆーんぱちゅりー!いとしのまりしゃしゃまがあいにきてやったのじぇー!」 「あらあらまりさのおちびちゃんったら、そんなにぱちぇのおちびちゃんにあいたかったのね」 「……」 長女まりさは無遠慮に巣穴の中に入ってきて、ぱちゅりーに近づく。 実は長女まりさの両親の、父まりさと母ありすは、長ぱちゅりーとはとても仲が良かったのだ。 そのため、長女まりさのことも友人の子供ということで、巣の中にも快く迎え入れて娘のぱちゅりーの話し相手も。 「ぱちゅりー!きょうもまりしゃはめーりんをせいっさいしてきたのじぇ!ぱちゅりーもまりしゃのえいゆうたんをききたいのじぇ!? きょうもまりしゃのすーぱーあたっくをくずめーりんにくらわせてやったのぜ!そしたらぶざまにころげまわってなきさけんでたのぜ!とてもゆっくりできたのぜ!」 「むきゅ、まりさのおちびちゃんはほんとにえらいわね!ゆっくりしてないゆっくりをせいっさいするのはとってもゆっくりできることよ!」 「…………」 ぱちゅりーに会う度にめーりんを虐めたことを話す長女まりさ。そんな長女まりさの話を長ぱちゅりーはニコニコしながら聞いている。 だが娘ぱちゅりーは、二匹とは対照的に心底不快そうな表情を浮かべていた。 (……いくらゆっくりしてないゆっくりだからって、いじめてなにがたのしいの?) ぱちゅりーは生まれてから今まで、一度も外に出たことがなかった。 そのため、めーりんがどんな姿をしているかは生まれ持った記憶から知っていたが、実際にめーりんに会ったことは全くなく、めーりんに対する偏見を一切持っていなかった。 ぱちゅりーは母親である長ぱちゅりーと違って、めーりんはクズではなく自分たちと同じゆっくりだと思い込んでいる。 同族のゆっくりを虐めてそれを喜ぶ長女まりさと長ぱちゅりーを見て、ぱちゅりーの心は嫌悪感でいっぱいだった。 なぜめーりんを虐めることを誇らしげに話すのか?なぜそれを聞いて楽しそうな顔をするのか? 少なくともぱちゅりーにはさっぱり理解できなかった。 「それじゃあまりしゃはかえりゅのじぇ!」 「むきゅ、まりさとありすによろしくね」 「わかったのじぇ!」 一通りめーりん虐めを自慢した長女まりさは、ぱちゅりーの巣穴から出て行く。 さっさと帰ってほしいと思っていたぱちゅりーは、長女まりさが見えなくなってほっと息をついた。 ふと、長ぱちゅりーの機嫌が良さそうなのを見て、ぱちゅりーは長ぱちゅりーにお願いをしてみた。 「おかーさん…」 「むきゅ?なにかしらおちびちゃん?」 「ぱちぇ…おそとにでてみたいわ」 遊びたい盛りの頃に巣穴の外に出れず、毎日毎日親から怒鳴られ、ゆっくり出来ない話を聞かされる… いくら運動が苦手なぱちゅりー種でも気が滅入るものである。 それにぱちゅりーは、母親と、時々訪ねてくるあのまりさの話でしか外の世界をしらない。 そのため実際に自分の目で外の世界を見てみたいと思った。 しかし、そんな娘の言葉を長ぱちゅりーはばっさりと切り捨てる。 「むきゅううううううう!?なにばかなこといってるのおおおおおお!?おそとはきけんなのよ!でてはいけないわ! あなたはぱちぇのだいじなあとつぎなのよ!けがでもしたらどうするの!?」 「むきゅ…でも」 「だまりなさい!とにかくそとにでてはだめよ!ぱちぇはね、おちびちゃんのためをおもっていってるのよ!」 「ゆぅ…」 こんな風に厳しく叱咤されてしまい、ぱちゅりーは大人しく従うしかなかった。 だが、長ぱちゅりーが抑えつけたぐらいでちゅりーが納得するはずもなく、ぱちゅりーの外へ出たいという思いは日に日に募っていった。 ………… 「むきゅ、それじゃあおちびちゃん、でかけてくるわね!」 「…いってらっしゃいおかーさん」 ある日、長ぱちゅりーが群れの集会に出かけることになった。 この群れでは年に数回、群れの大半のゆっくりが集まって状況を報告し合う大きな集会がある。 娘を集会に参加させるのはまだ早いと思った長ぱちゅりーは、娘を一人家に残して出かけることにした。 (むきゅ…これは、もしかしてチャンスじゃないかしら?) 家に母親はおらず、自分ひとりだけ。 今なら母親の目を気にせず、こっそり外に出れるのではないか? そう思ったぱちゅりーは、もはや居ても立ってもいられなかった。 ぱちゅりーは入り口に向かってゆっくりと這って行く。 そして、ぱちゅりーは生まれて初めて外の世界を目にした。 「……!?」 初めて外に出たぱちゅりーが最初に目にしたものは、眩いばかりの光を放つ太陽と青く澄み切った空だった。 燦々と輝く太陽の光に、思わずぱちゅりーは目を細める。 「むきゅ…これが、そとのせかい…」 眩しくて動けなかったぱちゅりーだが、目が慣れてくると自然と体が前へと進んだ。 太陽に照らされた、雑草が青々と茂る地面を踏みしめ、疎らに生えた森の木々をぱちゅりーはゆっくりと横切っていく。 大人のゆっくりのほとんどは集会に出ているために、ぱちゅりーは誰にも合うことはなかった。 しばらく適当に跳ねると、木々の切れ目が見える。 そこを抜けると、木が生えた小高い丘が目の前に現れた。 「むきゅ、だれかいるわ?」 ぱちゅりーが丘の上を見上げると、一匹のゆっくりが見えた。 気になったぱちゅりーは、ひ弱な体を酷使してゆっくりと丘を登っていく。 「むきゅ、むきゅ、むきゅぅぅぅ……やっとのぼれたわ」 「…すぴー…すぴー」 「むきゅ!このゆっくりは…」 そのゆっくりは一匹のめーりんだった。 ぱちゅりーはめーりんの傍に近寄り、顔を覗き込む。 (『めーりん』…というゆっくりだったかしら?たしかおかーさんやあのまりさはゆっくりしてないゆっくりだっていってたけど…) めーりんを初めて見たぱちゅりー。 ぱちゅりーのめーりんに対する第一印象は、『とてもゆっくりしたゆっくり』だった。 (おだやかなねがおね……とてもゆっくりしてないゆっくりにはみえないわ) 「……じゃお?」 「……あ」 そんなことを考えていたぱちゅりーの目の前で、めーりんはうっすらと目を覚ました。 ―――― 「…ゅ………」 (じゃお?) 不意に誰かの気配を感じためーりんは、眠りから目覚める。 目を開くと、そこには見たことがないぱちゅりーがいた。 ぱちゅりーを視認した瞬間、めーりんは一瞬にして目を奪われていた。 真っ白な肌、均整の取れた体型、光を反射する綺麗な髪、程よい大きさの目と口、そして見たものを引き込むような透き通った青色の目。 めーりんは、今まで見てきたどのゆっくりよりも、目の前のぱちゅりーは綺麗なゆっくりだと思った。 ぱちゅりーもまた、急に目を覚ましためーりんに驚いて頭が固まっていた。 「…………」 「むきゅ、えーと…ぱちぇはぱちぇよ、ゆっくりしていってね!」 「!? じゃ…じゃおーん!」 無言の状況に居たたまれなくなり、ぱちゅりーが先に挨拶をする。 そんなぱちゅりーに、めーりんは焦りつつも精一杯の笑顔で挨拶を返した。 めーりんは今まで、誰からも、実の家族からも『ゆっくりしていってね』と言われたことが無かった。 生まれて初めて自分に向けられた『ゆっくりしていってね』の挨拶は、ゆっくりに飢えていためーりんの心を満たしていった。 「めーりんはこんなところでなにをしてるのかしら?」 「じゃおー!」 「ねるためだけに、わざわざこんなはなれたばしょまできてたの?」 「じゃお!」 「おうちにいばしょがないから?あ…もしかしてあなた、まりさといっしょにくらしてるの?」 「じゃお!?じゃーお」 「そう…あなたが…」 めーりん種は『じゃおん』としか言えないが、本来は普通に他のゆっくりと会話をすることが可能である。 だが、他のゆっくりは『ゆっくり出来ないめーりんと会話なんてしたくない』という思い込みにより、めーりんの言葉を理解できないものとしてしまった。 しかし最初にめーりんを見て『ゆっくり出来るゆっくり』と思ったぱちゅりーにはそういう先入観がない。 そのためぱちゅりーは、めーりんとの会話も特に問題なく行うことが出来た。 「むきゅぅ…」 「じゃお?」 「あ…きにしないで、すこしつかれただけよ。おうちからここまで、けっこうながいきょりをいどうしてきたから…」 本当はぱちゅりーは、運動の疲れよりも、日々の精神的ストレスによる疲れの方が大きかった。 だが、少し会話してめーりんが心優しいゆっくりだと見抜いたぱちゅりーは、めーりんに余計な心配をさせたくないためそのことを黙っていた。 「じゃお~……じゃお!」 不意にめーりんは、何か思いついたように声を上げる。 めーりんはさっきまで自分が寝ていたところから退くと、ぱちゅりーの方を向いてそこの地面をお下げで叩く。 「?…そこにすわればいいのかしら?」 「じゃお!」 頷くめーりん。 ぱちゅりーはめーりんに勧められるがままに、その場所に移動した。 そこはめーりんのお気に入りの位置で、日陰で樹木に寄りかかれる、休むのに最適な場所だった。 「むきゅ…すずしくていいばしょね、ありがとうめーりん」 「じゃおーん!」 ゆったりと体を休め、ぱちゅりーはめーりんにお礼を言った。 ふと、そこから下界を見下ろしてみる。 「……おそらをとんでるみたい」 つい本能に刻まれた言葉を口にしてしまうぱちゅりー。 丘の上で少し目線が高くなっただけだが、丘に登る前よりも多くのものを見下ろせるようになった。 緑の絨毯に、疎らに生えている色とりどりの花… 空を流れる雲に、頬をそっと撫でる風… その風に揺られてざわざわと音を奏でる樹木と、地面の上でゆらゆら動く枝の影… ぱちゅりーはまた、外の世界の広さを知ったような気がした。 「(そとのせかいって、こんなにいろんなものがあるのね…)ねぇ、めーりん…」 「じゃおー…」(すぴー、すぴー) 「あら?」 ふと横を見ると、いつの間にかぱちゅりーのすぐ傍でめーりんが寝ていた。 ぱちゅりーとめーりんを起こすのも悪いと思い、何も言わないことにした。 (いつもおかーさんからまいにちまいにちどなられてべんきょうさせられて…いままでこうやってゆっくりすることなんてなかったわね) 母親に監視されて、ぱちゅりーには一瞬たりとも気が抜ける時間はなかった。 気が緩んだ途端、今までの疲れがどっと押し寄せてくるような気がして、ぱちゅりーはそのまま夢の世界へ旅立っていった。 ………… 「じゃお!じゃお!」 「……むきゅ…おはようめーりん」 「じゃおん!」 不意に横から声が聞こえ、ぱちゅりーは目を覚ます。 いつの間にか太陽が山の向こうに掛かっており、辺りは暗くなり始めていた。 「たいようさんがあんなところに…?」 「じゃお~」 「これからどんどんくらくなるの?そう、たしかくらくなるとれみりゃがでるのよね」 「じゃおん」 「それじゃあ…れみりゃがでるまえにかえりましょうか」 「じゃお!」 ぱちゅりーは自分をゆっくりさせてくれためーりんにお礼を言う。 めーりんとぱちゅりーはその場で別れ、それぞれの家へ帰ろうとする。 「めーりん、きょうはありがとう。おかげでゆっくりできたわ」 「じゃおーん!」 「ええ……またね、めーりん」 めーりんの言葉に、ぱちゅりーは力強く頷いて返す。 ぱちゅりーは家の前まで戻ってくると、入り口のところにいた長ぱちゅりーが鬼の形相でぱちゅりーに詰め寄った。 「むきゅー!おちびちゃんどこにいってたの!? そとはあぶないからでてはいけないってあれほどいったでしょおおおおおおお!?」 「ご、ごめんなさい、おかーさん。けど…」 「いいわけなんてききたくないわ!はやくおうちのなかにはいりなさい!」 巣穴の外に出ていた娘を叱責する長ぱちゅりーは、ぱちゅりーを無理やり家の中に押し込む。 「おちびちゃんじぶんのたちばがわかってるのかしら!?あなたはつぎのおさになるゆっくりなのよ! おやのいうことをかってにきかないなんて…なんておやふこうなこなの!ぱちぇはおちびちゃんをそんなふうにそだてたつもりはないわ!」 「……」 長ぱちゅりーの説教は夜まで続いた。 結局、ぱちゅりーはめーりんと出会った事は最後まで喋らなかった。 寝る前にぱちゅりーの心にあったのは、めーりんとの再会を願う気持ちだった。 (めーりん……またあいたいわ) ―――― 「じゃお…」 家に帰ってきためーりんも、今日出会ったぱちゅりーのことを考えていた。 自分を見ても虐めなかった、自分の言葉を理解してくれる、とても美しいゆっくり。 群れの中で唯一、自分と一緒にゆっくりしてくれたぱちゅりーの存在に、めーりんもまた強く惹かれていた。 この日は家族に虐められても、悲しい気持ちは湧いてこなかったし体の痛みも気にならなかった。 めーりんはぱちゅりーとの再会を願いながら、眠りについた。 (ぱちゅりー…またあいたいな…) 一ヵ月後… この群れでは、大人になったゆっくりは他のゆっくりと結婚する慣わしがある。 広場で同世代のゆっくり同士がお見合いをし、互いに相手を気に入ったら結ばれるという極々簡単な行事である。 それは長の娘といえど例外ではない。 だが群れの普通のゆっくり同士のお見合いと違って、長の子供の伴侶を決めるときは少し違う方法で行われる。 未婚で大人のゆっくりたちが広場に集まり、長の子供がその中から一匹を選ぶ、という形式を取っていた。 そして選ばれたゆっくりが次期長、もしくは次期長の伴侶となるということになる。 「ゆっふっふ!これでまりさがえらばれるのはまちがいないのぜ!」 「なにいってるの!?えらばれるのはとかいはなありすにきまってるでしょ!」 「おまえらのめはふしあななのぜ?えらばれるのまりささまなのぜ!」 めーりんのいる巣穴の中でも、姉妹たちは長の娘に選ばれるのは自分であると互いに主張しあっている。 姉妹たちがそれぞれ自分のお飾りの皺を取ったり、肌に香りのある草を擦り付けたりなど精一杯のおめかしをしていた。 ちなみに子ゆっくりたちとめーりんの両親はすでに死んでる。 少し前にどちらもれみりゃに襲われて食い殺されたのだ。 めーりんもまた、姉妹たちと同じくれっきとした成体へと成長していた。 「おいくず!もっときあいいれてぺーろぺーろするのぜ!」 「ほんとのろまでつかえないくずね!」 「じゃおー…」 姉妹たちはめーりんに、自分の体に付いた土ぼこりを舐めさせている。 他にも平日には狩りに生かせたり、うんうんを処理させたり、本来は両親がやっていた仕事を全て押し付けていた。 今やめーりんは姉妹たちの奴隷となっていた。 「ゆふん!それじゃあいってくるとするのぜ!」 「おさのむすめってそうとうびゆっくりらしいわ!」 「ゆっふっふ!たのしみなのぜ!」 意気揚々と出かける姉妹たちを見送る。 「じゃおー……」 めーりんもまた、ぱちゅりーに会いたいと思った。 姉妹たちのように長の地位に執着したり、美ゆっくりだからという気持ちはない。 ただ純粋に、ぱちゅりーに会いたいという気持ちだけがめーりんの心を占めていた。 だが、こんなみずぼらしい姿を見たら、ぱちゅりーはどう思うだろうか。 笑うだろうか、失望するだろうか、もしかしたら二度と会いたくないと思われるのではないだろうか… けど…ぱちゅりーにもう一度会いたい、一目見たい。 そんなめーりんの思いは現在進行形で募っていく。 (とおくからひとめみるくらいなら…だいじょうぶなはず) そう結論付けためーりんは居ても立ってもいられず、広場の方へと跳ねて行った。 ―――― 「むきゅ!おちびちゃんよういができたわ!」 「……」 こちらも一人前の大人と言えるほどに成長したぱちゅりー。 化粧や身だしなみも長ぱちゅりーが整え、どこに出しても恥ずかしくないほどの美ゆっくりになっていた。 めーりんと出会ったあの日から長ぱちゅりーの監視はさらに厳しくなり、ぱちゅりーはあれ以来一度も外に出ることは出来なかった。 (めーりんも、ひろばにくるのかしら?) 「むきゅ、おちびちゃんいくわよ!むれのゆっくりたちがひろばでまってるわ」 「……わかったわ、おかーさん」 群れの皆にお披露目をするために、おめかしをされたぱちゅりーは群れの広場に連れてこられた。 広場にはすでに大勢のゆっくりが集まっている。 この中から一匹のゆっくりをぱちゅりーが選び、選ばれたゆっくりがぱちゅりーの伴侶となるのだ。 群れのゆっくりたちもぱちゅりーの目を引くために、精一杯のおめかしをして自分が美ゆっくりに見えるようにしている。 ――長の伴侶になれば、今よりずっとゆっくりすることができる! ――いっぱいむーしゃむーしゃすることも、美ゆっくりをはべらせることも、めんどくさいことは全て他ゆんにやらせることもできる! ――自分こそが選ばれるべきゆっくりだ! 広場に集まったほぼ全てのゆっくりに、そのような思惑があった。 ぱちゅりーは広場にある切り株の上へと上がり、その姿をゆっくりたちに晒す。 化粧されて麗しい美ゆっくりになったぱちゅりーに、広場に集まった一同は息を呑んだ。 「ゆー!すごいびゆっくりのぱちゅりーだよ!」 「あれがおさのひとりむすめなのぜ!?はじめてみたのぜ!」 「んほおおお!ぱちゅりーとすっきりしたいわあああ!」 「ゆゆ!ぱちゅりーがれいむのことをみてるよ!」 「なにいってるのぜ!まりさをみてるにきまってるのぜ!」 そんな風に騒いでいるゆっくりたちを無視して、ぱちゅりーは何かを探すように周りをきょろきょろと見回している。 広場のゆっくりはぱちゅりーと目が合う度に、自分が選ばれたのだと思い興奮した声を上げた。 (ゆっふっふ…この日のために、いつもぱちゅりーにあいにいってよかったのぜ…) そんな中、長女まりさは慌てず騒がず、自信に満ちた顔でどっしりと構えていた。 ここにいるゆっくりたちの中で、ぱちゅりーと一番関わっているのは長女まりさだ。 それゆえ、ぱちゅりーと一番仲が良いのは自分であり、今この場で選ばれるのは自分であると長女まりさは信じて疑わなかった。 もっとも、まりさと会っている時にぱちゅりーがどんな気持ちでいたか、長女まりさの話を聞いているときぱちゅりーはどんな顔をしていたか、というのは… 長女まりさは一切見ていなかったし考えてもいなかったが。 「…!?」 「あ、おちびちゃん!?」 ふと、ぱちゅりーは目的のものが見つかったのか、顔を輝かせた。 ぱちゅりーの視線は『長女まりさの方』へ向いている。 ぱちゅりーは切り株から飛び降りると、長ぱちゅりーが止める暇もなく長女まりさに向かって一直線に跳ねて行った。 (ゆゆ!やっぱりぱちゅりーはまりさをえらんだのぜ!) ぱちゅりーは長女まりさへと近づいてくる。 そして、ぱちゅりーは長女まりさの目の前へと来た。 「ぱちゅりー!まりさといっしょに…」 ぱちゅりーは長女まりさの横を、すっと駆け抜けた。 「………………ゆ?」 長女まりさを通り過ぎ、群れのゆっくりたちを通り過ぎ、ぱちゅりーが足を止めたのは、森の境目、ちょうど広場の一番外側の部分だった。 そこには、木に隠れるようにして広場へと目を向けていた、全身が薄汚れためーりんがいた。 めーりんはあの時よりも一回り大きく成長し、恥ずかしそうにしながらもあの時と変わらない明るい笑顔をぱちゅりーに向けていた。 「めーりん…あいたかったわ」 「じゃお!」 ぱちゅりーはめーりんとの再会を素直に喜ぶ。 「いぜんあったときよりもいちだんときずがふえたわね…あいかわらずまりさたちにいじめられているのね」 「じゃおん…」 「むきゅ?なにがはずかしいの?」 「じゃお、じゃお」 「きたないみなりだからぱちぇにあうのがはずかしかった?むきゃきゃきゃ、なにばかなことをいってるのよ。ほら…すーりすーり」 「じゃおお!?」 「ゆふふ、これでぱちゅりーもきたなくなったわ!めーりんとおそろいね」 めーりんにすりすりして自らの頬を汚すぱちゅりー。 長ぱちゅりーも、めーりんの姉妹たちも、周りにいる群れのゆっくり全てが目の前の光景に唖然としていた。 なぜ長の娘がクズのめーりんと話をしているのだ?なぜクズのめーりんとすーりすーりをしているのだ? 誰もが想像すらしていなかった展開を前に、めーりんとぱちゅりーを除いた全てのゆっくりが一声も発する音が出来ずその場で固まっていた。 そんな中、ぱちゅりーはめーりんに告げる。 「めーりん…ぱちゅりーとずっといっしょにゆっくりしてくれないかしら?」 「じゃお!?」 『……ゆ!?』 「な……なにをいっているの?おちびちゃん?」 「じゃおじゃお!」 「かまわないわ、いまこのばでぱちぇがいっしょにゆっくりしたいとおもうのは、めーりんだけよ」 「じゃお、じゃおおおお!?」 ぱちゅりーはその場で振り返り、群れのゆっくりたちの方に目を向ける。 「おかーさん、みんな、ぱちぇは、めーりんとずっといっしょにゆっくりするわ!」 ぱちゅりーの言葉にその場に居た全てのゆっくりたちは驚く。 ぱちゅりーはめーりんを伴侶として選んだ。つまり長ぱちゅりーの次の長は、ぱちゅりーかめーりんになるということだ。 長の地位に着いたならめーりんももう、虐められることはないだろう。 ぱちゅりーも、めーりんに身体的にも精神的にも支えてもらい、ゆっくりした毎日を過ごすことが出来るだろう。 こうしてめーりんとぱちゅりーは結ばれ、幸せな毎日を過ごしました。 ……なんてことになるわけがなかった。 「どぼじでおまえがえらべれるのぜええええええ!」 家に帰ってきためーりんは、姉妹全員からリンチを受けていた。 「おさのむすめをたぶらかすなんてさいっていだわ!」 「なまいきなくずなのぜ!」 「ふざけたやつなのぜ!こんなやつころしたほうがいいのぜ!」 「じゃお…じゃぉ……」 めーりんを容赦なく傷つけ、あらん限りの言葉で罵る姉妹たち。 もはやゆっくりとしての倫理など関係ない、一刻も早くこのクズを殺したい、そんなことを子ゆっくりたちは考えていた。 そんな中、長女まりさが妙案を思いつく。 「ゆゆ!ちょっとまつのぜ!いいことおもいついたのぜ!」 「ゆゆ!?」 「ぱちゅりーはめーりんをえらんだなら、まりさがめーりんのぼうしをかぶってめーりんになりすませばいいのぜ! そうすればまりさがぱちゅりーとむすばれることができるのぜ!」 「「「「「ゆ、ゆううううううう!?」」」」 要するに、めーりんから帽子を奪い取り、それを被ってめーりんに成りすます作戦だ。 他のゆっくりに成りすまして騙す…まさに悪魔のような所業である 「さすがおねえちゃん!まりさたちにはかんがえつかないようなことをおもいつくのぜ!」 「そこにしびれる!あこがれるわ!」 「それほどでもあるのぜ!ころしたらししゅうがうつるから、くずをころすまえにさっさととってしまうのぜ!」 「じゃお!?じゃお!!」 「というわけでさっさとよこすのぜ!くずめーりん!」 お飾りを奪われると聞いて、さすがにめーりんも抵抗する素振りを見せる。 しかし周りから一斉に抑えつけられ、あっさりと奪われてしまった。 「やったのぜ!ねんがんのくずのぼうしをてにいれたのぜ!」 「ところで、くずのぼうしはひとつしかないわ。だれがかぶるの?」 「もちろんおもいついたまりさがかぶるにきまってるのぜ!」 「なにいってるのぜええええ!?まりさがかぶるにきまってるんだぜええええ!」 「おねえちゃんたちなにいってる!?そんなのいちばんびゆっくりのありすがかぶるにきまってるでしょ!」 「そのぼうしはありすのものよ!じゃまするならせいっさいするわよ!」 「「「「「………」」」」」 姉妹たちの間に、険悪な空気が流れる。 「ゆがあああああああああ!おまえらぜんいんしねえええええええええ!」 長女まりさが次女ありすに噛み付く。 「ゆぎゃあああああああ!なにするのぜありすうううううううう!?」 「うるさいよ!おさになるのはありすだよ!」 三女ありすが四女まりさを枝で突き刺す。 「よごぜええええええええええ!ぞれはまりざざまのものだあああああああああああああ!」 「ゆぎゃあああああ!?」 肌に噛み付き、目を抉り、髪を引き抜き、お飾りを破き、醜悪な表情で互いを喰らいあう。 めーりんの帽子を奪い合う、壮絶な家族同士の殺し合いが始まった。 このままここにいては殺される…そう感じためーりんは奪われた帽子を諦め、急いで外へと向かう。 背中にいくつもの絶叫と怒号と断末魔を受けて、めーりんは巣穴を飛び出していった。 ―――― 「このばかちびがああああああああ!ぱちゅりーにはじをかかせやがってええええええええ!」 「むぶっ!」 「めーりんなんかをえらぶなんてなにかんがえてるんだあああああああああ!?」 「むぎゅべっ!」 一方、ぱちゅりーの巣穴の中でも修羅場が繰り広げられていた。 長ぱちゅりーは今までにないほどに怒狂った凄まじい顔をしながら、娘ぱちゅりーを揉み上げで何度も叩いている。 「むぎゅ…きいておかーさん、ぱちぇはむれのゆっくりのだれよりもめーりんのことがすきなの…だから」 「むきゅうううううううう!なにいってるのおおおおおおお!?おさのむすめがくずめーりんとけっこんするなんて、 そんなはじさらしなまねがゆるされるわけないでしょおおおおおおお!?あなたはぱちぇのかおにどろをぬるきなのおおおおおおお!?」 「おかぁ…さん…」 この瞬間、ぱちゅりーは初めて長ぱちゅりーの想いを理解した。 母親は、娘のことを何も考えていないことを、結局娘の幸せよりも自分の地位に傷が付かないことを優先していることを、ぱちゅりーは今この瞬間初めて理解した。 このままここにいれば、永遠に母親の都合の良い道具としてこき使われるだけのゆん生を送ることになるかもしれない。 いや、ほぼ確実にそうなるだろう。 (そんなの…いや!) ぱちゅりーは、決心した。 「…おかーさん。ぱちぇはこのいえをでていくわ」 「むきゅ?なにをいって…」 「いままでそだててくれてありがとう…もうおかーさんとあうことはないでしょうけど、せめておかーさんがしあわせなゆんせいをおくれることをねがっているわ。 ……さようなら、おかーさん」 そう言ったぱちゅりーは巣穴の外に逃げ出した。 「むきゅう!?ま、まちなさい!」 長ぱちゅりーは、すかさずぱちゅりーを追いかける。 外に出ると、娘ぱちゅりーは入り口のすぐ近くに立ち止まっていた。 「むきゅ!そんなところにいたのねおちびちゃん! さ、すぐにおうちのなかにもどりなさい」 しかし娘ぱちゅりーは反応を返さない まるで何も聞こえていないかのように、無表情な顔で長ぱちゅりーを見ている。 「なにだまってるのおおおおお!?さっさともどれといってるでしょうがあああああ!」 揉み上げでたたくと、帽子がぱちゅりーからずり落ちる。 すると、目の前の娘ぱちゅりーがただの石に変わった。 ゆっくりは相手をお飾りで判断するため、たとえ別の生き物だろうと無機物だろうとお飾りを被せたものは、それの持ち主と同じように見えてしまう。 このままでは逃げられないと悟ったぱちゅりーは、巣の傍にあった石に帽子をかぶせて自身の身代わりとしたのだ。 「むぎゅううううううう!どごいっだあああああああああ!ででごいいいいいいいいいいい!」 娘に逃げられたことを悟った長ぱちゅりーは、その場で悔しそうに叫んでいた。 ………… 群れの外へと跳ねていくぱちゅりー。 ぱちゅりーは、過去に一度だけ行ったことがある場所、一本の木が生えた小高い丘へと到着した。 そこには、一匹のお飾りがないゆっくりがいた。 「…めーりん、なの?」 「じゃおーん…」 どちらもお飾りは付けていないが、すぐに互いを認識出来た。 二匹はしばらく、無言で見つめあう。 「めーりん、あなたおかざりはどうしたの?」 「じゃお~…」 「かぞくにうばわれた?そんな、ひどい…」 「じゃおん?」 「ぱちぇは…おかーさんからにげるために、おかざりをぎせいにしてきたわ」 「じゃお!?」 「めーりん…わたしはいえをでていったわ。おかーさんがわたしをむれをおさめるためのどうぐとしかみてなくて…もうこんなむれにはいたくない」 「じゃお、じゃおー」 「ぱちぇたちはもう、むれにはもどれないわ。どうしましょうめーりん…おかざりがなくなったぱちぇたちがくらせるばしょなんて、あるのかしら?」 「……じゃおーん!」 弱気なぱちゅりーを励ますように、めーりんは力強い眼差しでぱちゅりーを見つめる。 「ずっとぱちぇのそばにいてくれるの?」 「じゃお!」 「たとえどんなこんなんがまちうけていようと、ぱちぇのことをまもる…そういっているの?」 「じゃおん!」 「…ふふ、ありがとうめーりん」 暗くなりかけている森を、丘の上から見下ろす二匹。 「わたしもめーりんをささえるから…めーりんもわたしをささえてちょうだい。 いきましょうめーりん…いつか、ぱちぇたちがあんしんしてくらせるばしょがみつかるまで」 「じゃお!」 思いを確かめ合うように、その場でそっと寄り添う二匹。 日が完全に落ちた時、丘の上から二匹の姿は影も形もなくなっていた。 ………… 次の日の朝。 「ゆっふっふ!これでまりさがめーりんなのぜ!かんぺきなへんそうなのぜ!」 めーりんの帽子を被り、めーりんに扮装した長女まりさは長ぱちゅりーのところへ向かっていた。 姉妹同士の壮絶な殺し合い、それを制したのは長女まりさだった。 幼い頃、ぱちゅりーと初めて会った瞬間から、長女まりさはぱちゅりーのことを気に入っていた。 もの悲しげな目と気弱そうな態度、傷一つない白い肌。 病弱っ子なぱちゅりーは、正に長女まりさのストライクゾーンであった。 そんなぱちゅりーと思う存分すっきりー出来ると思うと、図らずも長女まりさのぺにぺにはいきり立った。 まずはぱちゅりーをボコボコにして、めーりんなどという愚かなクズを選んだことを後悔させてやろう。 その後無理やり犯して、泣き叫ぶ様子を思う存分鑑賞するのだ。 ぱちゅりーの泣き顔を見るのは、きっとゆっくり出来るだろう。 …と、そんなことを長女まりさは考えているうちに、長の家の前までやってきた。 「おらおら!まり…めーりんさまのとうちゃくなのぜ!さっさとぱちゅりーとすっきりさせるのぜえええ!」 開口一番にぱちゅりーとのすっきりを要求する長女まりさ。 そんな長女まりさを出迎えたのは、長ぱちゅりーと群れの屈強なゆっくりたちだった。 長ぱちゅりーに選ばれた自分を丁重に迎えるために集まったのだろう、と長女まりさは思った。 しかし、周りのゆっくりたちの長女まりさを見る目は異様に冷たかった。 「むきゅ、よくかおをだせたものねくずゆっくりが」 「…ゆ?」 長ぱちゅりーは長女まりさを見ると、吐き捨てるように言う。 「ちぇんじりんぐがこううんをよぶなんてうそっぱちね。 こんなことになるならさっさとうまれたときにころしとくべきだったわ」 「なにいってるのぜ?ぱちゅりーはどこにいるのぜ?」 「おまえのせいで…おまえのせいでぱちぇのむすめがいなくなってしまったのよおおおおおおおお!」 「ゆ!?ど、どういうことなのぜええええええええええ!?」 「みんな!ぱちぇのむすめをたぶらかしたこのげすを、せいっさいするのよ!」 長ぱちゅりーと群れのゆっくりたちは、長女まりさの言葉を『ゆっくり出来ないくずの喋る理解できない言葉』として聞いていた。 そのため長女まりさの言葉が届いているゆっくりは、この中に一匹とていなかった。 ゆっくりたちは、長女まりさが逃げられないように周りを取り囲む。 「このくずめーりんはしけいじゃなまぬるいわ!さんざんくるしめてころしてやりましょう!」 『ゆおおおおおおおおおおお!』 長女まりさに詰め寄る群れのゆっくりたち 群れのゆっくりたちとしても、自分たちと同種のゆっくりが選ばれたならまだ諦めがつくが、クズであるめーりんが自分たちを差し置いて長の地位に付くなど… ゆっくりは生物界の頂点に君臨する存在である、と思い込むほどプライドの高いゆっくりたちにとって、到底納得できることではなかった。 全てのゆっくりが本気の殺意が篭った視線で長女まりさを見ている。 これはまずいと思った長女まりさは、急いで帽子を取る。 「ちょ、ちょっとまつのぜ!まりさはまりさなのぜ!めーりんじゃないのぜ!」 『……』 「まったく!みんなほんとうにばかなのぜ!まりさをめーりんとまちがえるなんて…」 「ゆゆ!おかざりのないゆっくりできないゆっくりがいるよ!」 「…ゆ?」 まりさはめーりんの帽子を被るとき、自分の帽子を外してきたのだ。 めーりんの帽子をとった長女まりさは、正に『飾りがないゆっくり出来ないゆっくり』そのものだった。 「おかざりがないゆっくりはせいっさいするよ!」 『せいっさい!せいっさい!』 「ゆ!?ま、まつのぜ!まりさはめーりんなのぜ!」 慌ててめーりんの帽子を被りなおす長女まりさ。 「むきゅ!くずのめーりんがいるわ!?みんな!めーりんをせいさいするのよ!」 『せいっさい!せいっさい!』 「…………ゆ?」 帽子を被っても制裁ムード。 帽子を取っても制裁ムード。 ここでようやく長女まりさは気づいた。 「ゆ、え……あ………あああああああああああああああああああああああああ!?」 めーりんとして制裁されるか、お飾りがないゆっくりとして殺されるか。 そのどちらかしか道が残っていないことに… 『せいっさい!せいっさい!』 「く、くるなあああ!くるなあああああああああああ!まりさはまりさだぜ!まりさはまりさだぜ!まりさはまりさ…」 『しねえええええええええええええええええええええええ!!!』 長女まりさの叫び声は、群れのゆっくりたちには届かなかった。 なぜこんなことになったのか?どうして自分が殺されなければならないのか?自分はただゆっくりしたかっただけなのに!? あのぱちゅりーの伴侶が選ばれる時もそうだ!なぜ自分を差し置いてクズめーりんが選ばれたのか?クズめーりんは自分よりも遥かに下等な存在なのに!? 今この瞬間だって、本来殺されるのはクズめーりんのはずで、自分はそれを悠々と眺める立場のはずだ! こんなのおかしい!絶対に間違っている! 自分はこんなところで死んでいいゆっくりじゃない! 思う存分むーしゃむーしゃして!思う存分すっきりーして!!全てのゆっくりを奴隷にして!!! 痛い!痛い!やめて!!助けて!! 壮絶なリンチを受けている間、長女まりさは常にそんなことを考えていた。 「も……とゅ……り…………か……た………」 原型を留めないほど体をズタボロにされて、長女まりさは息絶えた。 長女まりさは死ぬ最後の瞬間まで、この世の不条理を嘆いていた。 後書き ここまで読んでくださってありがとうございます。 いやー今回は難産でした(いつも難産ですけど)。 純粋に面白いと思ってもらえたなら嬉しいですし、ダメだなと思う部分があるなら指摘してもらえると幸いです。 さて、ぱちゅりーとめーりんはこの後どうなるのか……ぶっちゃけ未定です。 そこはもしかしたら将来書くかもしれないし書かないかもしれません。 まぁ読者の想像に任せるのが一番かなーとも思ってますがね…労力的に(オイ それではまた。 ※追記 あまりにも恥ずかしいミスを発見したので修正。 今後このようなことがないよう気をつけます、すみませんでした。m( _ _ )m 過去の作品 anko0857 願いの果てに anko3412 親の心子知らず anko3430 子ありすと都会派な人形 anko3445 ある群れの越冬方法 anko3464 とある一家のお話 anko3519 孤独なれいむと森に住むぱちゅりー
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ぺにまむ設定注意 HENTAI注意 「じゃ、じゃおーん!」 「めーりんのくせににんげんとなかがいいなんてなまいきだよ!」 「にんげんのなかまのめーりんはゆっくりしね!!」 「じゃおおぉぉーーん!」 俺が仕事を終えて家へ帰ると家の中からこんな声が聞こえてきた。 俺はめーりんを飼っている。何ヶ月の間飼っているのだろう。 他のゆっくりから石をぶつけられ、体当たりを受け転びながら逃げ回っているところを保護したのだ。 それが俺とめーりんの馴れ初めである。 元々めーりん種は人懐っこい性格らしい。すぐに、俺の手とすーりすーりをするほど打ち解けてくれた。 家から自由に外に出れるように、玄関にゆっくり用の出入り口を作ったときはとても喜んでくれた。 言葉は通じないが、心は通じ合っている確信はある。 めーりんが喜んでくれた出入り口が今回の結果か・・・めーりんだけが通れるように、大きさに合わせて作ったんだがなぁ・・・(少々小さめだが既に成ゆっくりである。) 入ってこれるゆっくりはめーりんより小さいゆっくりだけだから、俺もめーりんも家にいない間にゆっくりが侵入しようとも、 普通のゆっくりは玄関の段差を飛び越えるのは難しいだろうし、めーりんが居たならめーりん自身で撃退できるだろうと判断したんだが・・・ 急いで玄関を開けゆっくりの声のする部屋に飛び込んだ。 今回俺のめーりんを虐めているのは、スタンダードに、めーりんと同じサイズのれいむ、まりさ種であった。 体の汚れを見るに、こいつら野良だな。 部屋に入ったそのとき、れいむの口からとんでもない言葉が飛び出した。 「ゆ~ん、なんだかこうふんしてきたよ!めーりんはれいむのすっきりー!のてつだいをしてね!」 「じゃおぉぉーん!」 めーりんはいやいやをするように体を振っているがれいむは構わず、ぺにぺにを突き出しながら距離を詰めている。 れいむの言葉を聞いた瞬間、俺の体は動いていた。 「させるかぁ!」 「ゆべぇ!!?」 俺は持っていた手帳をれいむ目がけて投げつけた。見事命中したようだ。 「じゃお!?」 「めーりん、大丈夫か?」 「じゃおーん!」 体当たりで出来たような痣が軽く残っているだけで、重傷ではないようだ。 「よかった・・・」 「ゆゆっ!?にんげんがかえってきちゃったんだぜ!?」 「ゆぐぅ・・・ま、まりさ、どうするの!?」 だが怪我が軽くとも俺のめーりんに手を出したことは許さない。 「に、にんげんさん!まりさたちはそこのめーりんがにんげんさんのおうちにかってにはいるのをみたからたいじしようとしてたんだよ!」 「そ、そうだよにんげんさん!だかられいむたちをみのがしてね!」 下手な言い訳だなぁ。 「このめーりんは俺が飼ってるんだ、勝手に入ってきたのはお前らのほうだろ。 それに聞いたぞ、『人間と仲が良いなんて生意気だ』って」 「ゆ・・・」 「ゆぅ!?」 「許さん!絶対に!!生かして帰さん!!!」 「「ゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!???」」 とりあえず、めーりんの水飲み用の皿にオレンジジュースを注ぎ、その中にめーりんを入れた。 疲れたのか、すぐに眠ってしまったようだ。 両手にまりさとれいむを持った俺は、ナイフを台所から取り出し、まりさを三角コーナーに詰め込み、ああ、帽子が飛んでいった、が、気にしない! まずれいむから、移動できないようにあんよを切り取った。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆぅぅ!い、いだいよぉ!にんげんざん、ゆっぐりやめでぇ!!」 「駄目」 「あやばりまずぅぅぅぅぅ!!めーりんをいじめでごべんなざいいぃぃぃ!!ゆるじでぐだざいぃぃ!」 「駄目」 「いやだあぁぁぁぁぁぁ!!!ごれじゃああるげないぃぃぃぃ!!!」 あんよを切り取られ、泣き叫ぶれいむを放置し、 次は貴様だまりさ。 「ゆ・・・ゆ・・・ゆぅあぁぁ・・・」 ああ・・・臭え。三角コーナーに放り込んだからなぁ・・・よく見たられいむより汚いし・・・ そうだ、こいつのあんよは違う方法で使えなくするか。 「に、にんげんさん、まりさは」 「てめーのあんよは切り取らない」 「ゆゆ!?」 「ま、まりざだげずるいy」 一瞬まりさは安心したような表情になったが、次の瞬間それは吹き飛んだ。 「てめーのあんよは、焼く!消毒がてらにな!」 「ゆ゛ぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 「れいむ、お前も同じようにするか?」 「いやだぁぁぁぁぁぁ!!!」 俺はコンロに火を付けて、フライパンを置き、十分に熱したところで持っていたまりさの底部をフライパンに押し付けた。 「汚物は消毒だーっ!」 「あづいぃぃぃぃぃぃぃぃ!あづいよぉぉぉ!!でいぶだずげでぇぇぇぇぇ!!」 「ばりざぁぁぁぁぁ!!ごべんねぇぇ!!むりだよぉぉぉぉぉ!!!!」 まあ、というわけで両ゆっくりの行動を封じたわけだが、 「さて、どうしようか・・・」 「ゆひぃ、ゆひぃ」 「ゆぅぅぅ・・・うごげないよぉぉぉぉ」 ・・・仕事終わったばっかしだから今日はこれだけにしておくか。明日は休日だ。 「お前ら」 「ゆひぃ!?ははははははははははははいいぃぃぃぃぃ!!!」 「なんでずがぁ!?」 「今日はこれまでだ。明日から本番な」 「「わがりまじだぁぁ!!ありがどうございまずぅぅぅぅ!!」」 ありがとうございます・・・ねぇ。どうせ明日死ぬのに。 動けない二匹を皿の上に乗せて、俺はめーりんのいる部屋に戻った。 「じゃおー・・・じゃおー・・・」 めーりんは寝息を立てていたが、俺が部屋に入った瞬間、 「・・・じゃお?じゃお~♪」 目を覚ましたようだ。 「寝てていいぞ?」 と言ってみたが、 「じゃおぉ」 と鳴いて、寄ってきた。 「具合はどうだ?」 「じゃお~ん♪」 すっかり良くなったようだ。流石ゆっくり、オレンジジュースだけで傷も完治とは適当だ。 ・・・そういえばれいむは「すっきりー!」の手伝いをしろってめーりんに言いながらぺにぺにを出してたが、 俺があんよを切り取ってるときは突起じゃあなくて穴になってたなぁ・・・場合(受け攻め)によって変わる両性具有ってことか? 一体どんな構造なのか、謎が多いよなぁ、ゆっくりって。むしろ謎の塊みたいな生き物か。 ・・・考えてたら、せめてぺにまむについてだけでも、解き明かしたくなってきた。 「じゃ、じゃお?」 めーりんにも穴はあるんだよな・・・ 「じゃおぉ?!」 めーりん・・・可愛いなぁ・・・ 「じゃおおぉぉぉぉぉぉぉ!!???」 「めーりん・・・いいか?」 「・・・じゃお~ん♪」 ありがとう、受け入れてくれるのか・・・ めーりんを持ち上げ、俺は仰向けになり、ズボンを下ろし、 いつのまにか勃起していたモノを、めーりんのまむまむに、ゆっくりと差し込んだ。 「じゃ、じゃおお・・・!」 「めーりん、痛くないか?苦しくないか?」 「じゃ、じゃお~ん♪・・・」 どうかんがえてもゆっくりが男性器を受け入れるにはサイズが違いすぎる。 本当はとても痛くて苦しいだろうに・・・うっすらと涙も流れている。 なのに、めーりんは笑顔だ。 めーりんを両手に持ち、ゆっくりと上げ下げをする。 十数分後、めーりんの体がぬめってきた。すっきりー!が近いようだ。 俺の腕の上下する速度も加速してきた。もう少しで果てそうだ・・・ そして・・・ 「くぅっ!」「じゃおぉっ!!」 ・・・ふう。 俺は自分のモノを引き抜いてみて、驚いた。 めーりんの中身はピザまんの中身らしい(知り合いの虐待鬼意山から聞いた)のだが、 俺のモノにはそれが全く付いていない。臭いも無い。 めーりんの直径は二十数cm程。 どうかんがえても中身に到達し、中身がモノに付いてもおかしくは無いはずだ。 異空間にでも繋がってるのか? 「じゃ~・・・おぉ・・・じゃ~・・お・・・」 本格的に寝に入っためーりんを見つめながら、結局謎は解けなかったな・・・と考えつつ、めーりんを自分の布団に入れた。 「よぉ、糞饅頭共」 「ゆぴぃ!?」 「ゆぅ!」 翌朝、のん気に鼻ちょうちんを作りつつ眠っていた饅頭共をたたき起こし、 「昨日の続きだぁーっ!」 「「ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」」 というわけでまずはまりさから。 皿から持ち上げる。 「おにいざんんんん!!!ごべんなざいいぃぃぃぃ!!おうぢにがえじでぇぇぇぇ!!!」 「気安くお兄さんなんて呼んでんじゃあねえッ!殺すぞッ! いや、もとより殺すつもりなんだけどさ。昨日言ったし。」 「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「まりざぁぁぁぁぁ!!!」 ・・・しかし、やはり気になる。ぺにぺにまむまむの構造・・・ というわけで俺はまりさのまむまむに人差し指を突っ込んだ。 「ゆふぅん!?お、おにいs」 「気安く呼んでんじゃねぇ」 「ごべんなざんふぅ!?」 「にんげんざんなにやっでるのぉぉぉぉぉ!!???」 れいむの悲鳴が聞こえるが気にしない。 第二関節まで入ったところで、指をぐねぐねと動かしてみる。 「ゆうん!にんげんさん、なにをぉ・・・ゆふぅん」 「・・・」 気持ちわりい・・・ ここで俺は、指の根元まで一気に差し入れた。 「ゆぐえ!?」 「まりざぁ?!」 おお、やっとそれらしい声を上げてくれた。 そこで俺は指を引き抜いてみた。餡子が・・・付いている。 指より太く大きいものを入れられた昨日のめーりんとしたときは付かなかったのに。う~ん・・・ 「わかんねぇなぁ~」 「な、なにが?」 「いや別に。」 と言ったとき、あることを思いついた。 まりさを放置し、既に眠りから覚めためーりんを連れてくる。 めーりんをテーブルの上に乗せ、「めーりんん!おばえのぜいでぇぇ!!」とか叫ぶまりさを引っぱたいて黙らせ、 まりさを持ち上げ、れいむの顔をめーりんに向けさせて、 「れいむ、めーりんにごめんなさいと言ってみろ」 「な、なんかいもあやばっd」 「あれは俺に対して謝ってるように聞こえたんだがな。」 「ゆぅ!?」 「どうした?いやか?」 「い、いやだよ!どうせにんげんさんにころされるのにめーりんなんかにあやまるなんて!」 ほお~、ゆっくりにしては頭がいいな。じゃあ・・・ 「もし謝ったなら、とりあえず生かしておいてやるよ」 「ゆぅ?!・・・」 「でいぶぅ!はやぐあやばっd」 「お前は黙ってろ」 「ゆひぃ!?」 黙るれいむを見つつ、まりさの右目のすぐ下の辺りを、指で突き刺す。 「ゆぐぅぅ!!!」 「まりざ!!」 「何本目に死ぬかな~」 南斗孤鷲拳奥義南斗翔鷲屠脚ごっこ。シンの拳法の名前って後付けだよね? 次は左目近く。 「強制はしない。自分の意思で言え」 完全にシンの気分ってやつだ。 「・・・」 「でいぶ、どうじだのぉぉぉぉ!!???はやぐいっでねぇぇぇ!!!」 普段めーりん種は他のゆっくりに馬鹿にされながら生きている。 そんなめーりんに謝るなんてゆっくりできない・・・そう思っているのだろう。 だがそれをすれば、自分達は生き延びることは出来る・・・ 次は二つ目の傷跡の下に指を突っ込む。 「ゆうぅぅぅぅぅぐぐぐぐぐぅぅぅ・・・」 「まりさ・・・!」 そして、れいむがめーりんに 「めーりんん!ずいばぜんでじだぁぁぁぁ!!」 と言うのと同時に、 俺は指を4本、まりさの一つ目の穴の下に差し入れた。 「ゆぐうぅぁぁああぁあああああ!!????」 「・・・」 「まりさ!?」 「遅かったな。」 「ゆ・・・ゆあぁ・・・」 既にまりさは、物言わぬ饅頭と化していた。 「もうちょっと早く言ってれば助かったかもな」 「・・・ばりざぁぁぁぁ!!!ごべんねぇぇぇぇぇ!!!」 「さて、まりさは死んじまったが約束したからな・・・とりあえず生かしてはおく。」 「ゆ!はやくあんよをなおしてれいむをゆっくりおうちにかえしてね!あと・・・いや、やっぱりいいですぅ・・・」 立ち直り速いな。友が死んだのにすぐこれだ。多分最後は「あまあまもちょうだいね!」って言おうとしたんだろうな。 結局言わなかったけど。なかなか空気の読めるれいむだ。 しかし・・・ 「残念だが俺はあんよを治す技術を知らない」 「ゆ!?」 「それにゆっくりさせるつもりも無い。だからその髪も飾りも無くす」 「ゆゆ!?」 「あとお前、俺のめーりんをレイプしようとしたからそのぺにぺに・・・いやまむまむ? まむまむじゃレイプ出来ないが・・・どっちでもいいや、それも焼く」 「ゆゆぅぅ~~~?!?!?どぼじでぞんなごどずるのおおぉぉ?!!??」 「生きて家に帰れるだけマシと思え」 「いやあああぁぁぁぁぁあああぁ!!!!」 というわけで、れいむは飾りを取られ、髪を抜かれてハゲ饅頭になり、 ぺにだかまむだか知らないがとにかくその部位を焼かれ、使用不能にされた。 こんな状態にされたれいむを持って、森の入り口で、 「じゃあなれいむ、ゆっくりしていってね!」 こう叫びつつれいむを放り投げた。 そして空を見上げた。天気は雲ひとつない、清々しい青空だ。今の俺の気分を映してるかのようだった。 その日の晩、漫画を読んだりしながらゴロゴロとして一日を過ごし、さあ寝るぞという時、 「じゃおーん・・・?」 「ん?どうしためーりん?」 めーりんが頬を染め、俯きながら俺の布団の側に寄ってきた。まさか・・・ 「めーりん・・・まさか・・・今日もとか、考えてないよな?」 「じゃおーん♪」 「・・・」 というわけで後日、友人の虐待鬼意山から「こいつ最高にHENTAI野郎」という話が近所に広まるのだった・・・ あとがき 実際にゆっくりがいたとしたら間違いなく俺はめーりんを抱くね。 「れみりゃの世界」とか「ゆっくり・ボール・らん」とか構想はあるのになかなか文にならない・・・ 前者なんて初SSの時から構想してたんだぜ・・・? タイトルに「考察」なんて付いてるけど読み返してみたら全然考察でもなんでもなかったね・・・ まあ俺設定だし。気にすることもないかな。 今まで書いたもの ゆっくりへの階段 ふらんうーぱっく なずーりん このSSに感想をつける
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